Column採用コラム

2019.03.25

内定者フォローレポート

次世代リーダーの育成経験と新人研修メニュー【No.142】

リクルートワークスが行なった「Works人材マネジメント調査」で人事部門が認識している人事課題の位は次世代リーダーの育成でした。毎年新卒を採用している企業でも、なかなか上手く人材を育てることができていないようです。今回は次世代リーダーの育成方法と採用方法をご紹介します。

次世代リーダーを育てる方法

次世代リーダーの育成には経験を積ませるのが一番です。たとえ、失敗しても失敗した原因を一緒に考えて学びに変えることで、次の成功に繋げることができます。しかし、経験といっても何でもいいわけではありません。

【次世代リーダーの育成に繋がる経験】
・会社の事業や社会に与える影響を実感させる
・経営者としてモノの考え方や覚悟に触れる
・責任者として主体性を問われるポジションを与える
・多種多様な価値観を持つ人と仕事をする
・自分の権限で動かせないヒトを動かす経験
・困難な挑戦や未経験の仕事をさせる
・メンターやコーチ、モニタリングを経験させる
・異業種交流会でのワークショップを経験させる

このように未経験なことや困難な挑戦をさせながら、経営者としての考え方やヒトの動かし方を学ばせることが重要になります。なお、次世代リーダーの育成に繋がる経験を積ませる時には下記の点に注意してください。

【次世代リーダーの育成に繋がる経験を積ませる時の注意点】
・職務経験を向上させる参加者との紐付けをする
・アサインのタイミングを図る
・360度サーベイで足りない部分を気づかせる
・サポート体制を整えたうえで挑戦させる

未経験なことや困難な挑戦をさせるためには、サポート体制が必要です。また、振り返りも必要ですので経験を積ませるために参加させたプロジェクトが終ったら、360度サーベイで本人に足りない部分を気づかせてあげましょう。

次世代リーダーの育成に必要な新人研修メニュー

経験を積ませるといっても、いきなり経験を積ませるのは本人にも荷が重いのではないかと考える人もいるでしょう。また、経験を積ませるにも条件が揃わないこともあります。その時は研修でカバーしましょう。

【新卒で実施する研修メニュー】

リーダーシップとは何かを学び、主体的に動けるようにするのが目的です。

・パートナーシップ研修

メンバーと対等な関係でリーダーシップを発揮する研修。

・フォロワーシップ研修

誠実な貢献と建設的な批判ができるようにする研修。

・ボスマネジメント研修

上司に対してリーダーシップを発揮して自分やメンバーの支援を引き出す研修。上司がその上の上司から何を期待されて、どんな仕事を抱えているのか。上司のこだわりと信念などを感じ取り主体的にサポートできるようにする。

【二年目以降に行なう研修メニュー】

経営にヒト・モノ・カネに関わる研修を行ない、経営者目線で仕事を捉えられるようにするのが目的です。

・コストダウンを図る方法を考える
・売上をアップさせる方法を考える
・退職や意欲ダウンといったロスを防ぐ方法

これらのことを、グループで話し合って発表して他のグループの質疑応答に答える研修を行ないましょう。どの問題も正解があるわけではありませんが、何人かのメンバーの意見をまとめながら答えを出すことが次世代リーダーの育成に必要な経験になります。

次世代リーダーにふさわしい人材の採用方法

次世代リーダーの育成で重要なことが「次世代リーダーの器を持つ人材」の採用です。しかし、「面接を何度おこなっても皆面接の練習をしてきているので本音が見えない」という採用担当の悩みがあります。また、面接で良く見えたのに成長度がイマイチだった、せっかく採用しても中堅社員の研修を実施する前に退職されてしまう、という悩みもあります。ここで効果的な採用方法が「RJP(Realistic Job Preview)理論」です。

このRJP理論は4つの効果があります。

・自分にこの仕事が向いているか確認できる(セルフスクリーニング)
・入社後のギャップがなくなる(ワクチン効果)
・困難を承知でやりたいと思わせる(コミットメント)
・入社後に自分の役割と期待が明確になり、主体的に動ける(役割明確化)

これらの効果を得るにはどのような採用方法を実施すれば良いのでしょうか。それは、選考を受けるのにインターンシップを必須にする、または最終面接の前に短期のインターンシップを実施するという方法です。現場ではインターン生扱いをせずに、普段の職場を見せることが大切です。

そのうえで選考を受けるかを決めてもらうと入社後のギャップが少なくなり定着率が良くなります。他には、アルバイトから正社員化するという採用方法もあります。いずれにせよ求人サイトや説明会で職場や仕事をイメージしてもらうのではなく、実際に目で見て体験してもらうことが大切です。

まとめ

「百聞は一見にしかず」のことわざ通り見て経験しなければわからないことが多くあります。それは、研修でも採用でも同じです。イメージと違うというギャップによる退職を減らすためにインターンシップは有効です。

また、次世代リーダーの育成にも経験を積ませて自分の実力を知り、学び、身につけることが重要です。たとえ、失敗しても本人を責めずに頑張った部分をしっかり褒めて、失敗を次に繋げられるようにフォローしてあげましょう。

参照:リクルートワークス「Works人材マネジメント調査」
http://www.works-i.com/column/hrm/vol01/

コラムPDF版はこちらからダウンロードできます↓
次世代リーダーの育成経験と新人研修メニュー(422KB)

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