求人を出しているのになかなかエントリーが集まらない。今までと同じ求人で募集をかけているが、今までより母集団が小さくなっている。今回はこのような悩みがある時に取り組みたい採用広報の意味と実施するポイントをご紹介します。
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採用広報は採用ブランディングとも言い、その名の通り採用に特化した広報活動を意味します。採用HPやSNSで求人募集していることを広く知らせることで、まず求職者に知ってもらい、そして自社を選んでもらえるように魅力的な情報を積極的に発信していくことです。
ナビ媒体や求人広告など「応募者を待つ」だけでなく積極的に知ってもらう行動として取り入れる会社が増えてきており、近年では魅力的な情報だけではなく、マイナス面も伝えることでミスマッチの防止を図るツールとしても使われています。発信する内容は自社の求める人材像、仕事内容や社風、社員インタビューなどが多く、見ている求職者がセルフマッチングを図ることができるようになっています。
採用を実施していることを知らせたいターゲットを明確にしなければ、要件を満たさない人からの応募が殺到してしまいます。どんな人が欲しいのかチェックリスト方式で記載するほか、キャリアプランや仕事のやりがいを明確にしましょう。
応募者が何から情報を得ているのかを知って採用広報を行ないましょう。人事のミカタの「ソーシャル&スマホ時代の採用広報術(※)」にて、求職者が何から情報を得ているのか調査したところ以下のような結果になりました。
1.企業HP (88.7%)
2.口コミサイト・口コミ(71.0%)
3.採用HP(70.4%)
企業HPで企業方針や取引先、資本金、拠点などをチェックしたうえで、採用ホームページで面接対策や募集状況を見て、口コミサイトで悪い噂や実際の待遇や社風を確認しているようです。
しかし、この結果がすべての企業に当てはまるわけではありません。学校の就職課やキャリアセンター、教授の紹介から会社の募集を知る人が多い企業は、学校に対しての広報活動やつながりを強化する必要があります。求職者が自社の求人をどのように入手したのかを知って、対策を練りましょう。
採用広報で使えるツールは大きく分けて3種類に分けることができます。
・オウンドメディア
企業HP、採用HP、自社のブログ、パンフレットなど、すでに興味を持っている人に企業への理解を深めてもらうメディア。
・アーンドメディア
SNS(Facebook,Twitter,instagram)、転職口コミサイトなど閲覧者同士で交流できるメディア。
・ペイドメディア
求人サイト、求人広告、求人ポスター・チラシ、就職イベントなど情報が届いていない人と出会える可能性のある、広告枠や利用料を払って広報するメディア
これらのメディアをどのように使い分けて広報していくのか戦略を練っていきましょう。ペイドメディアは文字数の制限などがある場合が多いため募集要項や会社概要など基本情報を掲載し、採用HPやSNSで社風や社員インタビューなどを発信していくなど、3つのメディアで同じ情報ばかりを発信しないようにしましょう。
採用広報を実施したらどれだけ効果があったのか検証をしましょう。説明会へ参加または応募した求職者に、何を見て求人を知ったのかアンケートを取ります。さらに、内定を受諾者に何が内定を受諾する決め手になったのか、選考中には何を参考にしていたのかアンケートを取りましょう。アンケート結果をもとにPDCAを回してより効果的な採用広報を展開していきます。
採用広報は流行があります。現在注目されているのは自社独自の採用アプリです。三井物産やGYAOがすでに導入していますが、スマートフォン向けのアプリを自社の採用だけのために制作して求職者にダウンロードしてもらいます。
アプリ内で採用パンフレットをデジタルブックで配信、SNSで発信していた社内の様子をアプリ内で配信するなど求職者の囲い込みのツールとしても利用しています。
人材難の現在では採用広報の役割が大きくなってきています。採用広報はすぐに成果が出るものではありません。効果が出ない中で続けていくのは難しいですが、続けていけば定着していきます。「自分が求職者だったらどんな情報が欲しいか」を念頭に取り組んでみてください。
参照:ソーシャル&スマホ時代の採用広報術
https://partners.en-japan.com/special/180613/
コラムPDF版はこちらからダウンロードできます↓
採用広報を効果的に実施する5つのポイント(422KB)