採用担当として自分は適切に接しているのか。採用方法はこれでいいのか。そう思っていても他社の採用担当がどのように求職者と接しているのか知る方法はありません。他社の採用担当に相談するのも難しいことです。今回はフェーズごとに採用担当失格にならないための方法や心構えをまとめました。
目次
採用ホームページを設けていない企業や更新が止まっている企業は、採用活動の1番始めに取りかかりましょう。大学に出している求人票をそのまま公開すればいいと思っている人もいるようですが、採用ホームページに時間やお金をかけていない企業は本気で人材を募集していると思わない人が多くいます。
なによりも採用ホームページの手抜き感を学生は敏感に感じ取ってしまいます。採用ホームページを作成するために決めておくべき必要な5項目があるのでご紹介します。
【採用ホームページ作成に必要な5項目】
・採用計画に基づく募集職種と人数
・欲しい人材像
・募集要項の作成
・採用活動のブランディング方法の決定
・採用ホームページの構成(「誰に」「何を」「どうやって」「伝えるか」)
5項目を決めた後は採用ホームページの作成です。パソコンでのデザインをこだわる担当者が多いですが、スマートフォンでの使いやすさや見やすさも必ずチェックしましょう。
現在では、採用ホームページを無料または低価格で作成できる採用ツールやサービスが多く存在します。そうしたサービスを利用するのも良いですが、社風が伝わるような写真が多く掲載できる、エントリーBOXが付いている、indeedと連動している等の機能が備わっているかどうは必ず契約前に確認しましょう。
【採用ホームページで最低限必要なコンテンツ】
・募集要項
・採用プロセス
・採用スケジュール
・エントリー方法
・職種紹介
・会社の魅力
このほか先輩社員の声や研修内容、将来設計や評価制度、職場の雰囲気を伝えるブログなど、他社との差別化を図り「この会社で働きたい」と思える採用ホームページを作成しましょう。
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採用業務で忙しくて大学のキャリアセンター(就職支援センター)には、気が向いた時に求人票を送っているだけになっていませんか。大学のキャリアセンターを積極的に利用すると3つのメリットがあります。
メリット1:コストをかけずに真面目な学生を紹介してもらえることがある。
メリット2:学内合同説明会だけではなく、単独のセミナーや説明会を開催させてもらえる
メリット3:理系人材が欲しい企業にとっては大学のキャリアセンター経由で、専門分野の研究室や教授を紹介してもらえることもある。
これらのメリットはすべてコストがかかりません。では、大学キャリアセンターへどのようにアクションをとれば良いのかご紹介しましょう。
欲しい人材像にマッチする学生が多い大学と、在籍している社員の出身校をターゲット校リストに入れましょう。ターゲット校を決める時には、1校ずつ理由を明確にすると訪問時に役に立ちます。
大学のキャリアセンターの繋がりを増やすには、まず大学協同参加求人NAVI(https://www.kyujin-navi.com/uketsuke/)を利用しましょう。多くの大学へ一括で求人票を出すことができます。参加大学以外は1校ごとに提出してください。求人票はできる限り空欄を作らないように埋めましょう。
企業名と顔を一致して覚えてもらうためには、毎回担当を変えずに同じ人が訪問するようにしましょう。事前にスクリプトを作成しておくと、自信を持ってアポイントを取ることができます。なお、研究室の教授を訪問する時は先にアポイントを取りましょう。
訪問時はスーツまたはジャケットを着用し、清潔感のある服装で礼儀正しく訪問します。話す時は笑顔でハキハキと話して、大学の担当者に好印象を与えます。研究室の教授を訪問する時は、以前紹介してもらった学生がどう活躍しているのか詳細に話して、新たに紹介してもらえるようにしましょう。帰社後は、すぐに訪問のお礼メールを送信しましょう。
このようにして、継続して毎月1回訪問しましょう。ただし、用事もないのに訪問するのは失礼です。何かしら用事を作って訪問してください。毎月のように足を運べば、自然と大学側から相談を持ちかけられるようになります。
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少しでも興味を持ってくれた学生に対しては即レスが常識です。エントリー通知があっても「この作業が終わってから」では、求職者を他社に取られてしまう可能性があります。求人サイトや採用ホームページのエントリー状況は1日数回、定期的にチェックしましょう。
レジュメの合格連絡時には「○月○日(○)○時より一次面接を予定していますが、ご都合はいかがでしょうか」と、予定を確認するようにしてください。人材採用に力を入れている企業では面接1回、即日採用を行っている企業もあります。面接アレンジで何日もかけていると、選考辞退を招きかねません。
また、メールや電話での応対1つで内定辞退を防ぐことができます。電話で問い合わせがあった求職者に対して「お電話代がかかってしまいますので、折り返しますね」と折り返しをするだけで、好感度がぐっと上がります。新卒・中途問わず求職者にとって電話代(通信費)の負担が大きいので、この応対をするだけで好印象を与えるからです。
さらに、メールでも面接の案内文の最後に「季節の変わり目ですので、お体に気をつけてお過ごしください。当日○○様にお会いできるのを楽しみにしております。」と、求職者を気遣う言葉を入れるだけでも印象が違います。
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何年も前の説明会の台本を変更していない、ということはないでしょうか。企業情報だけでなく、学生が知りたいことも毎年変化します。学生が知りたいことを伝えられないと、本エントリーに繋げることが難しくなってしまうので、毎年説明会の内容を見直すようにしましょう。
学生が説明会で聞きたいのは「ここでしか聞けない話」です。
企業理念や事業内容などを説明してしまいがちですが、これらは会社案内や企業ホームページ、採用ホームページで読むことができます。合同説明会・会社説明会では、「ここでしか聞けない話」を披露できるようにしましょう。
また、説明会で会う人が社員のイメージに繋がります。清潔感のある服装、メイク、髪型で明るく笑顔で受け答えするようにしましょう。特に会社説明をする人は印象に残りやすいので、自信を持って説明できる人に担当してもらいます。
合同説明会で席に案内する人、会社説明会で受付や案内をする人には、雨の日に「足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます」「スーツは濡れませんでしたか」など一言添えて、傘置き場へ自然と案内できるようにホスピタリティを持った接遇を心がけてもらってください。
なお、合同説明会は学生が多くの会社を回るので会社説明会と異なり、1社の持ち時間は30分程度と短くなります。アンケート記入をお願いする時に10分取ると、説明できる時間は20分です。合同説明会では興味を持ってもらえるように入り口だけ説明をします。そうすることで、学生に「もっと知りたい」と会社説明会への参加を促せます。これらを踏まえて合同説明会用の台本を作ってください。
また、合同説明会では多くの企業が参加するので埋もれないことが重要です。会社名や製品名のスタンド、ブランドカラーで統一したテーブルクロスと椅子カバー、バックパネルなど自分たちの会社では何が用意できるか考えてください。他にも会社オリジナルの採用ポスターやノベルティを作成することも検討しましょう。
一番大切なのは呼び込み隊員です。明るく元気に呼び込んでくれる内定者や新入社員を連れていくと良いでしょう。当日は、タイムスケジュール表と役割分担表を用意して、人員配置やタイムスケジュール感をチェックし、始まる前にはマイクの音量やスライドの見え方などをきちんとチェックしてください。
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現代の採用市場では「面接は企業が求職者を選ぶ場所」という考え方は通用しません。現在の面接は、互いに職業適性やカルチャーフィットを確認する場所です。また、企業にとっては優秀な人材を口説く場でもあります。つまり、求職者にも選ぶ権利があるため企業側は選考をしながら、おもてなしをしなければなりません。
皆さんの企業では、面接前の待ち時間にお茶やお水を出していますか?待ち時間に緊張をほぐすための声かけを行っている企業は多いと思いますが、もう一歩進んだおもてなしをしましょう。たとえば、暑い中面接に来てくれた求職者に冷たいお茶を出しながら「時間まで上着を脱いでお待ちください」と空調を調節してあげる、寒い日は温かいお茶を出してコートやマフラーの置き場所を案内する、といった気配りが必要になります。
また、面接官の態度も重要です。面接官も採用担当と同様に「会社の顔」です。その面接官が下記のような態度を取ると選考辞退や内定辞退に繋がるので注意しましょう。
【求職者に悪いイメージを与える面接官の態度】
・ふんぞり返って座っている
・選考対象者の資料を目の前で読み始める
・質問する時「キミは~」と上から目線
・質問の意図が不明瞭
・やる気を感じない
・矢継ぎ早に質問をする一方的な面接(会話のキャッチボールがない)
・面接官の話が長い など
このように「面接をしてあげている」という態度は悪い印象を与えます。また、面接官としてのスキルが不足しているのも同様です。
面接官のスキルにバラツキがあると、明確に定めていた採用基準がぼやけてしまいます。面接官には採用基準を共有して、採用基準に沿ったチェックリストを渡すことで採用基準を統一しましょう。さらに、誰が面接官をしても採用基準が公平になるコンピテンシー面接を導入するのも良いでしょう。
関連記事:就活生に嫌われる採用面接官の特徴3選
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アイスブレイクとは面接の冒頭や中間で求職者の緊張をほぐすための会話です。緊張していると求職者本来の特質や本音を引き出すことができません。そこで、求職者に「今日は寒い中ご足労いただきありがとうございます。風は冷たくありませんでしたか」「駅から遠かったでしょう。日差しが強いので大変だったのではありませんか」など相手をいたわりながら、話しかけましょう。
中間のアイスブレイクでは、履歴書の趣味や特技を中心にしながら話をしてください。求職者と同じ出身校や同郷、現住所に住んでいたことがある、という共通点があると求職者の心を開きやすくなります。一方で政治、宗教、野球の話やセクハラとも取られる「色が白いね」や「その鞄高そうだね」という話は禁止です。
また、唐突に「どこの企業が第一志望なの?」「もう、どこかの説明会に参加した?」と質問をすると、相手が警戒してしまいます。他社の受験状況を質問しても良いですが「最後に他社の受験状況をお伺いしてもいいですか」と、丁寧に聞いてください。
関連記事:新卒採用で活躍する面接冒頭のアイスブレイクの手法
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内定辞退は採用担当者の大きな悩みです。内定通知を出して放っておくのは論外ですし、一昔前のようにビジネスマナー研修を通信教育でやって終わり、というのもいけません。内定者専門のSNSで内定者同士の繋がりを保ち、仲良くなってもらうことで内定辞退を阻止するのはセオリーです。
ただし、LINEやFacebookという無料のものを使用せず、セキュリティ対策がしっかりとした内定者向けのサービスを利用しましょう。また、内定者フォローでは定期的に顔を合わせるような機会を作るのも大切です。宿泊を伴う内定者研修、入社2年~3年目の社員を交えたランチやワークショップなどを催してみましょう。
関連記事:なぜFacebookやLINEを内定者フォローに使ってはいけないのか?
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最後に採用担当の神対応と塩対応について触れます。現在はSNS社会であるため、喜ばれることをすれば「神対応」と話題になります。一方で、失礼なことをすれば悪い意味で話題になってしまい企業全体のイメージダウンにも繋がってしまいます。
【カゴメ株式会社】
(引用)「この度はカゴメ株式会社にご応募いただきありがとうございました。就職先として興味を持っていただきましたこと、想いをこめてエントリーシート・履歴書を作成いただいたことに心から感謝いたします。カゴメからのささやかなお麗として、弊社の商品を用意しました」(引用)
というレターと一緒に「カゴメトマトジュース」と調味料の「ガリトマチキン」を送付しています。この対応は「ESが多く来る有名大手企業なのに、こんな対応をしてくれるんだ」と話題になりました。
関連記事:採用担当者の「神対応」がネットで話題!
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一方で、多くの企業が行っている「サイレントお祈り」と呼ばれる、合格者のみ連絡をする対応は塩対応と言われ企業のブランドイメージを下げる行動です。神対応までいかなくとも相手に「丁寧に対応してもらったな。いい企業だな」と思ってもらえるような応対をしましょう。
関連記事:学生がまとめた就活で嫌いになった企業ランキングの話
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様々な方法で集めた母集団形成を効率的に促すことも考えなければいけません。学生にとって就職活動の時期は多くの会社を知る機会であるということは、一社一社の印象が薄くなってしまい、目移りしてしまいやすいです。
また企業側の課題として、人事部が採用サイトに現場の社員の顔写真をお願いしても「誰でもアクセスできるサイトで名前や顔を出したくない」「名前や写真が悪用されないか心配」と断られるケースが非常に多いです。
そうした悩みを解決させるためには就活フォロー(3年生の夏インターシップ参加学生)から活用できるSNSアプリ「Chaku2 NEXT(ちゃくちゃくネクスト)」がおススメです。招待制のため、企業と招待した学生しか見ることができないクローズドSNSのため、第三者に悪用される心配は全くありません。
就活フォローアプリ「Chaku2 NEXT」はインターンシップや合同企業説明会で出会った学生に登録を促すことで、長期的・継続的に接点を持つことができるのが最大の強みです。特にインターンシップのように、選考面接開始の時期まで期間が空いてしまうケースに効果を発揮します。
「Chaku2 NEXT」は①ゲストと②メンバーと③スタッフの3つのグループを一元管理できます。
①ゲストとは3年生のインターンシップ参加学生向けに企業側の情報発信のみに機能が特化しています。学生同士はお互いの情報を見ることをできなくしており、お互いのプライバシー保護に配慮した設計になっています。
②メンバーとは4年生の5-6月頃から、内々定者をフォローするようになっており、内定者同士のコミュニケーションが可能で、SNSを使ったグループワーキングや課題提出のためのファイルアップなどの機能が用意されています。
③スタッフとは採用担当者や主に入社2-3年までの若手社員が参加し、ゲストやメンバーの学生に対し入社への動機付け目的に、先輩社員として「入社の理由」「働きがい」「暮らしぶり」をインスタグラム風のSNSで伝えていきます。人事採用担当者はこれら3つのグループをPC画面から一元管理できます。
関連記事:内定者フォローアプリの賢い使い方マニュアル
https://www.chaku2.jp/column/92/
スタッフに入社2~3年の若手社員を参加させることで、就活の振り返りができ早期離職防止に繋がります。また、採用担当者にとって母集団形成、インターンシップ実施、内定者フォロー、新入社員研修と年々業務が増え続けていますが、それら業務の一部(SNS投稿)を若手社員に分散することができます。
関連記事:内定者フォローSNSの失敗談から考える注意点
https://www.chaku2.jp/column/800/
採用担当失格にならないためには求職者の立場になって考えることが大切です。自分が求職者であったら、自社の採用方法はどう映るのか。自分の応対を受けた求職者がどう感じるのか。常に求職者の立場に立つことを忘れずにいれば、採用担当失格になることはありません。
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人事採用担当失格とならないための注意点8選(628KB)