人が足りなくて困っている採用担当者は多いと思いますが、そんな中でも特定の職種の採用に難しさを感じているとよく耳にします。特に最近多いのが、一般事務・バックオフィスの採用は上手くいくのに営業や接客をおこなうセールス担当の人材がなかなか採用できないという事例です。
そんな時は、逆転の発想で採用しやすいバックオフィスの部門をより強化し、足りない担当部門のパワーを補うという施策を検討するのも有効です。具体的にはどういうことなのか詳しく解説させていただきます。
目次
まずは「なぜセールス担当の採用が必要なのか?」という根本的な問いに目を向けてみてください。大半の企業がシンプルに「営業活動をおこなう人材が不足しているから」というシンプルな理由にたどり着くと思いますが、それは人を採用しなければ解決できない課題なのでしょうか。
東京都にある大手ブライダル企業ではその点に着目し、そもそも人を増やすこと以外での解決策を検討してみました。そこで出た案が「セールス担当にしかできない業務と別のスタッフに任せられる業務を分別する」というものでした。
実際、セールススタッフは営業活動のもとに発生する顧客との諸連絡や事務作業も自分自身でおこなうケースがほとんどだと思います。その中で、顧客に対してセールススタッフにしかできない業務がどれほどあるでしょうか。
チームとして、顧客の情報や動向をしっかり申し送り、共有できるスキームがあれば、メールや電話での問い合わせ対応、受発注業務や請求処理などのバックオフィスでまかなえる作業を専任で担当するサポーターがいれば、事務作業の時間を削減した分、セールス担当はよりたくさんの顧客へ営業活動をおこなうことができます。
その考え方で業務分担をおこなった結果、セールス担当にしかできない業務を限りなく限定させることができ、1名あたり担当できる顧客の数が約1.5<~2倍にまで増えたのです。
実際に、オフィスに常駐しているサポーターを問い合わせ窓口においたことで、顧客へのレスポンスも早まったり、折り返しの電話になるケースがほとんどなくなったり、メリットもたくさん生まれました。「誰がやっても同じ結果になる作業かどうか」を基本の基準として考え、皆さまも思い切って業務分担をおこなってみてはいかがでしょうか。
この考え方は、現在の採用市場はバックオフィス系の職種が採用しやすく、優秀な人材を獲得しやすい状況にあるのが基本になっています。転職求人倍率で比較すると営業職種は1.97倍に対して、事務・アシスタント職種は0.23倍(※)となっており、いかにバックオフィス系の人材が獲得しやすい状況かわかります。
妥協して獲得した平均的な営業担当よりも、選抜したバックオフィス系の人材の方が結果的に高いパフォーマンスを発揮してセールスマンをサポートし、高い費用対効果を発揮します。
今回ご紹介した企業事例でも、1名のサポートスタッフが3~4名のセールススタッフをサポートし、チームとして高い水準の営業活動をおこなっている事例があります。優秀なバックオフィス系の人材をうまく活用すれば、営業活動全体を底上げすることが可能になるのです。
上記の事例は、「ここまでが営業やセールス担当がやるべき業務」という固定概念をなくし、顧客・スタッフ・組織にとってもプラスの状況を生み出せるよう考えた結果に基づいています。セールススタッフの採用にお困りのご担当者様はぜひ参考にしていただき、一層パフォーマンスの高いチーム作りを目指してみてください。
参考:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/
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セールススタッフ採用が困難なら(655KB)