Column採用コラム

2019.10.07

内定者フォローレポート

採用マーケティングとは【No167】

人事や採用担当を長く務めてこられた方ほど、昨今の採用市場に対して「年々採用が難しくなっていくな…」と感じていると思います。従来の採用手法が望むような結果を出さずお困りの担当者へおススメしたいのが「採用マーケティング」です。

採用活動にマーケティングの手法を取り入れることで、どのような効果や発見に期待ができるのか、メリットがあるのかを2つのポイントに分けて解説します。

アプローチすべきターゲットの設定ができる

どの企業においても、採用したい人物像や希望するスキルが求職者に対して存在すると思います。中には、その人物像の見直しを行わずに、ずっと採用を続けてきた企業の担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。「売り手市場」と呼ばれる時代に、なんとなく採用活動を行っていても人材を獲得できないことは当然ながら、世の中が変化している中で採用のターゲットの定期的な見直しは必要不可欠です。

自社の採用対象人材のマーケットも、刻一刻と変化を遂げています。どのような趣味嗜好がある人を獲得したいのか、その人はどのようなライフスタイルを日頃過ごしているのか、ビジネスやプライベートでよく利用するツールは何なのか、どのようなものに魅力を感じ、何を仕事のやりがいにしたいのか…など、ターゲットの動向や志向性を把握することで打つべき一手が見えてくるのです。

潜在層獲得に目を向けたときに重要となる

人材採用の可能性は、まさにいま転職を考えていて新しい会社を見つけたい、出会いたいと考え行動している方々に限定されるわけではありません。今すぐの転職は可能性が薄くとも今後転職をする可能性が少しでもある方々、いわゆる潜在層と位置付けられる層にも多分に自社で採用が叶う可能性があるのです。

また、転職顕在層の獲得はいまや獲り合いとなっており、職種によっては業界を問わずにさまざまな企業が求人を出し、レッドオーシャンとなっております。潜在層へのアプローチへはまだまだ動き出していない企業も多く、企業の規模や業種を問わずに、優秀な人材を獲得できる可能性が眠っています。

そんな潜在層への働きかけを行う際にも、採用マーケティングが有効になってきます。もっとも簡単な方法は、直近の新入社員(入社して半年程度まで)にアンケートやインタビューをすることです。

前職はどのような業界出身者が多いのか、どんなきっかけやタイミングで転職を考えたのか、何が理由だったのか、転職活動時に見ていた企業のポイント、自社の何が魅力に感じて応募したのか…など、転職活動のプロセスを可視化し統計を取ってみると、何か特徴的な傾向がみられる可能性があります。

事例:製造業出身者が多いことが判明した場合

例えば、前職の出身業界調査で製造業出身者が多いと分かれば、そこにピンポイントにアプローチできる攻め方を検討してみるという方法の選択肢が出てきます。まずは、「なぜそもそも製造業出身者が多いのか?」という点から向き合ってみてください。

製造業界での経験やスキル、やりがいなどに自社と共通する内容を見出せば、そのポイントに魅力を訴求する表現を使って、求人媒体上で応募してほしい人材層へアプローチすることができていきます。製造業出身者も、「この会社では自分の経験やスキルを活かせる」とわかれば、自然と興味を抱くはずです。

次に、製造業出身者が良く利用している媒体を調べます。実は狙いたい人材が多く存在している場所が、これまで自社が利用している媒体と重ならない可能性もあります。それも、マーケティングを行うからこそ見えてくるポイントです。

そのほか、転職理由に「前職の人間関係に不満があった」というデータが多く見られた場合は、自社に在籍するスタッフが人間的な魅力に溢れる人材であることをアピールするためのイベントを企画してみるなど、他の会社よりも早く的確に、今後の転職予備軍に自社の魅力をアプローチできる可能性があるのです。

まとめ

今回は採用マーケティングに関する内容をまとめました。今回の記事で一番大切なのは「採用活動を可視化」することの重要性です。「いままでと同じ方法で採用を活動していれば人材を獲得できるだろう」「これまでこの方法で採用できてきたから今回も大丈夫なはずだ」と、感覚的な採用を続けている状態はただの運任せに過ぎません。

事実や根拠に基づいた採用プロセスを設計し、その設計図をもとに行動案を企画することで、合理的で計画的に採用活動がおこなえるようになります。採用マーケティングをまだ実施していないという方は、本記事をきっかけに第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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