就活生の面接をしていると、アイスブレイクの重要性を認識することが多いと思います。面接の冒頭で「今日はいい天気ですね~」「どこから来ましたか?」など面接とは関係ない世間話をすることで、場の空気を温めるトークがアイスブレイクです。
しかし、このアイスブレイクの重要性や使い方、バリエーションをしっかりと理解している人事担当者は意外と少ないように思います。ここではアイスブレイクについて詳しくまとめてみました。
目次
アイスブレイク(軽い雑談)をおススメする理由として面接の場はほぼ初対面同士で、就活生は緊張しているため、うまく話すことが難しい状況だからです。そんな状況で就活生の本音を引き出し、どのような特徴や人柄なのかを短時間で知ることなど不可能に近いでしょう。
アイスブレイクのメリットは、就活生の気持ちを解きほぐすことができる点です。活発に話すことができる雰囲気が作れると、企業側にとっても面接官の印象が良くなり、面接を進めやすくなる利点があります。ちょっとしたことですが、アイスブレイクが入るのと入らないのとでは、面接の雰囲気は大きく変わります。
アイスブレイクにはいくつかの手法があり、代表的なのに「木戸に立ちかけし衣食住」という言葉があります。これは気象・道楽(趣味)・ニュース・旅・知人・家庭・健康・仕事の頭文字と衣食住を掛け合わせた言葉です。
気候は「今日はいい天気ですね」「寒いですね」と最もポピュラーな話題であり、誰でも共感できますから良く使われます。また季節の話題を取り上げて「花粉症がひどいのでマスク姿で申し訳ないですが気にしないでくださいね。○○さんは花粉症になっていないですか?」というのは、面接や説明会を待っている学生相手にも使えそうです。
逆に道楽や趣味として、会議前にゴルフネタで盛り上がる場合もありますが、大学生を相手にしている面接のアイスブレイクには向きません。相手から話を振られない限りは自分からは言わず、もしも履歴書に気になる趣味や特技が書かれているなら面接中に質問してみるといいでしょう。
アイスブレイクの話題選びや話しかけ方について、注意すべき点もあります。相手の心を開くためにやっているのに、逆に相手の心を閉ざしてしまう、相手を傷つけてしまうようなアイスブレイクはすべきではありません。
よくやってしまいがちなのが立ち入った話をしすぎてしまうことです。いきなり「他にどこの企業をうけているの?」「今日どこの説明会に参加してきたの?」と質問しても就活生は引いてしまうでしょう。
あくまで面接のためのアイスブレイクとして、適度な距離感を持って対応しましょう。政治・宗教・プロ野球はタブーとされていることを知っている人は多いですが、悪意のない無意識に出てしまう一言にも注意しましょう。
また、女性に対して「綺麗な足だね!」というセクハラが入ったことや、「その時計高そうだね!いくらするの?」などという立ち入ったことを話すのもNGです。就活生に嫌われるような対応は絶対にしないでください。
そして、アイスブレイクに時間を取りすぎる人もよくいます。話が盛り上がって楽しい場合もあるかもしれませんが、あくまで目的は面接ですからほどほどに、適度に切り上げましょう。
アイスブレイクは他にも「適度に整理すべし」といった会話テクニックもありますが、こうしたテクニックは新卒採用の面接以外にもアルバイト採用や新卒研修でも有効なコミュニケーション方法です。もしも相手が緊張しているなと思ったら、ぜひアイスブレイクを意識してみてください。
コラムPDF版はこちらからダウンロードできます↓
新卒採用は面接冒頭のアイスブレイクに注意(589KB)