皆さんは就活生または転職希望者の志望動機をどの程度まで重要視していますか。今回は志望動機の言語化から考える面接で陥りやすい罠をまとめました。
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最初に志望動機から考えようとしても自己分析や会社研究ができていないと、ちゃんとした志望動機は作れません。面接で志望動機が弱いと感じるとしたら自己分析または会社研究のどちらかが足りていないケースが多いです。
「なぜ志望したのか」「どんな人生を歩んできて、何を学んだのか」「どんな強みを発揮できるのか」「入社したい理由は」「どんなふうに会社に貢献したいのか」。これらの質問に志望動機を絡め客観性や論理性が求められます。
しかしながら本当に熱意があったとしても、多くの就活生が自己流で自己分析していることもあり、熱意を論理的に言語化するのは意外に難しいものです。簡単に言えば「頭ではわかっているが表現する言葉を知らない」と言えます。
新卒採用担当2~3年目の採用担当者の方が陥りやすいのは「早い段階から志望動機に完璧を求めすぎる」ことです。原因は多くの学生を見てみた経験から「今の学生は明るくて営業向きのイメージだけど、志望動機が甘い」「コミュニケーション能力は高いけれど志望動機の部分で決め手に欠ける」と考えてしまうことです。考え方は正しいですが、完璧を求めるのは少し早いと言えます。
新卒採用や中途採用を始めたばかりの若い会社にも当てはまります。「お金をかけたからには良い人材が欲しい」とどの会社も考えますが、「志望動機に熱意が欲しい」「もっと良い人がいるかも」と一次面接や二次面接の合格ハードルが高くなりすぎている企業事例がありました。「志望動機がしっかりしている=優秀」と誤解しないようにしましょう。
マイナビの学生就職モニター調査によると、平均30社はエントリーしている結果が報告されています(19年卒)。近年の累計エントリー数は減少傾向にありますが、過去には50社以上もエントリーするよう露骨に勧めるナビサイトもあり、2005~2015年頃は80社前後を推移していました。
選考企業以外に、競合他社も調べなければいけないと考えると、1社の業界研究だけで数時間はかかるでしょう。学生側の準備の問題もありますが、30社分の志望動機を考えるのは簡単ではありません。
学生側の言い分として短期間に様々な業界・職種を見ている中で「一次面接から志望動機を求められるのはツラい」といった理由があります。また「内定後のインターンで志望動機が変化した」といった意見や口コミもあり、志望動機ありきで考えると入社後にミスマッチが起きる場合もあります。
採用活動で妥協すべき点と、妥協すべきではない点はあります。企業側からすると「面接に参加するからには志望動機を考えてくるのが最低限の義務」「頑張って準備して面接に臨んだ学生を評価したい」と考える人もいるでしょう。
一方で、「志望動機を聞いても用意してきた回答は意味がない」として、学生が募集職種に適性をもっているかどうかだけで合否判断している会社もあります。(実際にかなり優秀な社員を集めている会社です)。
もしも志望動機を重要視するなら、(不十分な学生には)「それってこういうこと?」「この点はどう考えているのかな?」と助け船を出してもいいでしょう。面接を繰り返すと視野がせまくなってしまう場合があるので、志望動機に固執しすぎていないか考える機会になれば幸いです。
最後になりますが、志望動機の甘さを学生だけの責任にせず、志望動機をもちやすい会社説明会、採用ホームページ、各SNSでの情報発信が適切になっているか改めて目を向けたいですね。