Column採用コラム

2021.02.22

内定者フォローレポート

内定辞退の理由【NO.225】

皆さんは内定者から内定辞退の理由を聞いていますか? 内定辞退の理由はどんな理由が多いですか? その理由ははたして本当の理由でしょうか? 今回は本当の内定辞退理由を聞くためにどうあるべきかをまとめました。

人事との退職面談で正直な理由を答えた人

ある記事で、人事との退職面談で正直に理由を答えた方のツイートが話題になっていました。その方は「労働環境が悪くて給料が低いからです」と正直に答え、人事も「ですよね~」と納得してしまったそうです。

正直に退職理由を答えられる信頼関係(度胸?)があること、本当の退職理由を聞いても怒らず、むしろ笑える人事に妙に感心してしまいましたし、人事側の気持ちになってみると複雑な気持ちにもなりました。と同時に内定辞退する際にどれくらいの学生が正直に答えてくれるだろうかと考えてしまいました。

基本的に退職理由(転職理由)は答えてくれない

ある転職サイトが退職する際に「本当の理由」を人事または上司に伝えたかどうかアンケートをとったところ、約70%が伝えなかったそうです。本人の性格や関係性にもよりますが、正直に答えてくれる人はごく少数です。

問題なのは会社側に問題があった場合でも答えてくれないことです。部署でセクハラやパワハラがあった場合でも、被害者側の従業員は「もう諦めている」「問題を伝えたところで退職する自分にはすでに関係ない」「万が一の嫌がらせが怖い」といった理由でそれを伝えようとはしません。似たようなことが新卒採用でも言えます。

本当の内定辞退の理由を聞き出すのは困難

前回のメルマガで「面接や内定懇親会での失言に気をつけましょう」と書きましたが、実際にそうした理由からの内定辞退だとしても、内定者は正直に答えてくれないでしょう。同じように「ネットでブラック企業という評判を見た」「他社よりも給与や福利厚生が低いため」といった理由の場合でも正直に答えてくれる学生はいません。

「志望業界が変わった」「別業種の会社から内定いただき、そちらに決めさせていただいた」といった別の理由を言うと思います。就活サイトでも同じように内定辞退をする際は「正直に話す必要はない」「就職先の会社名は絶対に伝えないこと」とアドバイスしています。

内定者から信頼されることが必要不可欠

内定者は従業員と違い、会社にいるわけではないので、「最近元気ないな」「いまいち同期と溶け込めていない」といった異変を察知しにくいですし、会うのもひと手間かかります。こうしたことからコミュニケーションツールとして内定者SNSが役立っているわけですが、内定者SNSがあっても深い信頼関係を築くのは簡単ではありません。

本当の内定辞退を教えてもらうには、内定者から「人事の〇〇さんなら本当のことを言っても嫌な顔をしない」「違う会社を選択しても応援してくれる」と信頼されているのが必要不可欠です。

新卒採用という短い期間で信頼されるのは簡単ではありませんが、何もしないでいると内定辞退の本当の理由を話してくれる学生はいないでしょう。自分の考えを自由に発言したり行動に移したりできる状態を「心理的安全性」と言いますが、皆さんは内定者にそのような状態になっているように工夫されているでしょうか。

例えば内定者SNSで「入社前に不安があるのは当たり前」「入社に不安を抱えていたら相談してほしい」「内定辞退を選択するのは悪いことではない」「内定者の質問や相談が採用担当の仕事だから遠慮せず何でも質問してほしい」といった投稿を一つするだけで、もしものときの相談しやすさが全く違います。1回だけでなく、内定式前後、年末、入社前など繰り返し伝えてもいいでしょう。

まとめ

辞める時の対応で企業の良さがわかると言われています。これは転職時の言葉ですが、内定辞退でも「内定辞退はしたけど後輩に勧めたい会社」と思われたいですよね。内定辞退の本当の理由が言える関係性を意識してみてはいかがでしょうか。

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