Column採用コラム

2021.03.16

お役立ち事例集

こんなことで就活女子とセクハラ【NO.228】

現代の採用活動において性差別はタブーとされています。最近では東京オリンピック・パラリンピックの森元会長による女性蔑視発言が記憶に新しいですね。森元会長のような発言でなくても、何気ない一言が性差別と思われる可能性は十分にあります。今回は女性から聞いた「就職活動中に性差別と感じた」実際のエピソードをご紹介します。

女性はパンツスーツを履かない方がいい

企業を訪問するとき、就職活動する学生は一部の企業を除いてリクルートスーツを着用します。このとき男性はパンツスタイル、女性はスカートスタイルを選ぶことが多いです。

没個性的や謎マナーと議論されることもありますが、そもそも就職活動に関するセミナーで「女性はパンツスーツを履いていると採用担当者によっては生意気な印象を持たれることがある」と説明している講師もいるため、無難にスカートを選択する学生が後を絶ちません。

採用担当者側も無意識のうちに「女性はスカートであるべき」と考えていませんでしょうか。なかにはスカートが苦手で履くのに抵抗がある、脚の傷を隠したいといった理由でパンツスーツを選ぶ女性の学生もいます。

21卒の女性Aさんは地方銀行のインターンシップに参加した際に、人事部の男性社員から「パンツスーツなんだね。珍しいね。」と話し掛けられたそうです。この言葉に対して「他意はないと思いますが、女性はスカートであるべきという固定概念が含まれているように感じ、その地方銀行は合わないと感じた」と非常に違和感をもったそうです。

大手金融機関の「女性は化粧をするのがマナー」発言

女性は化粧をするのがマナーという言葉は、就職活動を始めた学生の耳によく入ってきます。学校によっては女性のための就活メイク講座も開かれます。

ある大手金融機関の採用担当者が「化粧は身だしなみのうちに入る」と発言したそうですが、地方国立大学の女性Bさんは「私は肌が弱く化粧ができない。肌に負担をかけてまでメイクしたくない」と選考辞退したそうです。

事情を説明すれば面接官も納得してくれたと思いますが、毎回面接が始まったら自分の肌について伝えなければ「身だしなみができない子」としてマイナスイメージを持たれるかと思うと、選考辞退する気持ちも理解できました。最後に「悔しかった」と言っていたのが印象に残りました。

女性なのになぜ総合職を希望するの?

20卒の女性Cさんは大手金融機関の二次面接で、将来結婚したいか聞かれた後に「女性なのになぜ総合職を希望するの?」と一般職ではなく総合職を希望する理由について質問されたそうです。この質問には「男性は仕事、女性は家庭」という価値観が背景にあるとして性差別に感じたとのことです。

面接官は志望動機を質問したかったのかもしれませんが、「女性なのに」と付け加えてしまったために、就活生に性差別の印象を与えてしまいました。女性に限定しての質問は、男女雇用機会均等法の趣旨に違反する採用選考につながりますので注意して頂きたいと思います。

女性の見た目、男性とのバランスについて言及

21卒の女性Dさんは身長165㎝の関西私立大学の学生です。平均より少し高めの身長です。そのDさんは、中国地方の地方銀行の面接を受けた際に、面接官に身長について言及され「男性と並んだときにバランスが悪い」と伝えられたそうです。

海外では見た目に言及することはタブーとされています。本人の能力ではなく、見た目への言及であること、さらに男性との見映えを気にした発言に対して「強いショックを受けた」と話されました。当然ながら合理的な理由なく、身長・体重・体力の質問は、男女雇用機会均等法の禁止事項に抵触する可能性があります。

まとめ

就活生の中には「男性が産後休暇や育児休暇を取得するのが当たり前になっている会社」で会社探しをしているとの意見もありました。男性の育児休業制度の有無ではなく、男性の取得率について明確な数字を会社説明会や採用ホームページで説明することをおススメします。

就職活動を行う学生は、企業の条件だけでなく社員の言動や社員同士の雰囲気をよく観察しています。たとえ悪気がなかったとしても、何気ない言葉や態度は取り消すことはできません。自分の言動は適切か、振り返ってみることも大切かもしれませんね。

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