時事通信社が主要100社に行った新卒採用計画調査によると「入社動機の形成が難しくなっている」と回答する企業があり、大手各社がコロナ禍の採用活動に苦戦していることが伺えます。
そうした中で面接が大きな役割を担っていると言えますが、「入社したくない」と思われないためには、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。今回は就活生へのアンケート結果のもと『悪印象な面接官』についてまとめた内容をご紹介します。
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悪印象だった面接官の特徴として挙げられていたのは「就活生の返答に対し何度も解釈を間違える面接官」でした。
面接官が聞き返して確認をすることは誤解を防ぎ、就活生に安心感を与えるメリットがあります。しかし、返答の解釈を何度も間違えてしまうと、就活生が「もしかして、自分の話を聞いていないのかな?」と感じてしまいますし、ミスマッチにもつながります。
実際に2019卒のAさんが総合ITベンダー企業のWEB面接を受けたときの話です。面接官はAさんの返答に「~ということですよね?」と何度か聞き返してくれましたが、聞き返された内容がAさんの主張とズレていることが何度もあり、納得のいく面接にはならなかったそうです。
就活生も自分の言いたいことを相手にわかりやすく伝える努力は必要です。しかし面接官も、目の前にいる就活生の話にじっくりと耳を傾け、就活生の考えに理解を示すことも大切と言えるでしょう。
悪印象だった面接官2人目は、就活生がどんなことを答えても「なぜ?」と返してくる面接官です。就活生の信念や本音を聞き出すために、よく「なぜ?」と就活生に質問を投げかけると思いますが、あまりにも面接官が「なぜ?」と聞きすぎると、話に終わりが見えなくなる可能性があります。
実際にBさんが経験した、都内ベンチャー企業での役員面接を例にします。
面接官「10年後の自分はどうなっていたいですか」
学生「説明会で紹介された御社の〇〇さんのように、新規プロジェクトを立ち上げ、周囲と協力して仕事を進めていきたいです。学生時代、学生団体の代表として新企画をいくつか立ち上げた経験があり、周囲の人と協力して企画を練り上げ、実行していく面白さを感じたからです」
面接官「なぜですか」
私「企画を練り、実行に移すことはとても大変でしたが、その分達成感を感じられるからです」
面接官「なぜそう思いますか」
私「私自身が、大変さも含めて『新しいことに挑戦することは面白い』と思える性格なのだと思います」
面接官「なぜですか」
私「(なぜこのような性格なのかと言われても・・・)」
このように、1時間ほど「なぜ」という質問が続き、他の話はほとんどできずに面接が終了しました。これらに対して学生側の意見は「自己分析の甘さが問題ではなく、ただ「なぜ」と言いたかったように感じた」「学生を追い詰めるのが目的で、良い印象は受けなかった」と回答していました。
「なぜ?」を繰り返す質問は就活生の軸を知ることができます。しかし、目的もなく「なぜ?」を繰り返してしまう面接官もいるようです。面接官に悪意がなくても圧迫面接と捉えられても仕方のないケースですので、十分に注意して質問してほしいと思います。
今回の事例でわかる通り、とても簡単なことで印象を損なっていることがわかります。一方で、「学生の回答にうなずく」「挨拶をする」など「そんな簡単なことで?」と思えるくらいのささいな行動で好印象を与えることができるのも事実です。
コロナウイルス流行で学生との対面機会が激減しており、学生の興味・関心の喚起が困難になっている今こそ、面接で入社動機を形成しなければいけない時代と言えます。不用意な発言をしていないかを含めて面接の質問を見直してみてはいかがでしょうか。