人事の皆さんは書類選考でどのような質問をしているでしょうか。定番の『学生時代に力を入れていたこと(ガクチカ)』でしょうか?多くの似たようなエントリーシートに目を通す採用担当者。企業がどのような努力をしているのか、これまで聞いてきた中で、面白いと感じた質問テクニックをまとました。
目次
多くの企業のESでは長所と短所を記入させ、それを選んだ理由を続けて書かせるパターンが一般的ですが、都内のインターネットサービス会社A社では長所と短所をそれぞれ5つ書かせています。狙いとしては総合的な人物像の判断を目的としています。
例えば長所には実行力、継続力、理解力、集中力、忍耐力が挙げられますが、性格を構成するのは一つではないですよね?A社も「一つだけの長所では参考にならないことが多かった」「堅実家の長所が挙げられていたが、面接では行動派の印象だった」などのギャップがあったことから、この方式を導入したそうです。
レーダーチャート的に判断することで、より具体的な人物像を浮かび上がらせるメリットがあります。それぞれのエピソードを書いてもらうことで、面接のネタにしやすく、面接での判断材料にもしやすいでしょう。
定番質問で「あなたが入社したら、どう会社が変わりますか?(当社にどんなメリットがありますか?)」があります。おそらく、やる気やコミュニケーション能力をアピールする学生が多いと思いますが、抽象的な回答になりがちで面接官も判断が難しいのではないでしょうか。
東京都のアパレル販売会社B社では「会社に入ったら自分はどのように変化し成長していきたいか?」との内容に変更しました。自分の働く未来像をイメージできているか、目標を掲げて入社しようとしているかを判断するためには良い質問と言えるでしょう。
ガクチカ(学生時代頑張ったこと)はESで最も多い質問と言えます。しかしながら「アルバイト」「サークル」「ゼミ」「研究(理系限定)」が圧倒的に多く、どの学生も似たり寄ったりの内容が書かれているとして採用担当者を悩ませています。
こうした問題に対して都内の人材系ベンチャー企業C社は「学生生活を通して成長した部分は?」に切り替えています。「学生の成功体験は限定的(または少数)」「結果がともなっていなくても成長できる機会が多い」「学生は失敗体験を書きたがらないが、むしろ失敗体験から得た教訓のほうが人物像を理解しやすい」との考えから、変更したそうですが、実際にバラエティに富んだ回答が集まったそうです。
ESの質問項目を作成する時に、就活生の自由度が大きいテーマも有効ですが、質問内容をより具体的にして、自由度を小さくし質問数を増やすのも一つの方法です。
「学生時代に一番力を入れたこと」ではなく、「学問、学外(アルバイト等)、サークル(部活動)それぞれの活動実績を記載せよ」と多角的に記入させる会社もあり、これを知ったときは思わず「なるほど!」と頷きました。
こうした質問をすることで、就活生の書類選考での比較材料が増え、企業にとって欲しい人材と面接まで繋げることができるでしょう。是非参考にしてみてください。