9月、経済同友会のセミナーで、サントリーホールディングスの新浪剛史社長が発言した「45歳定年制」が波紋を呼びました。様々な議論を呼びましたが、「会社を辞めてもらいたいだけでは?」「経営者側の一方的な都合」といった意見から、「遅かれ早かれ現実的な話にならざるをえない」といった消極的賛成派の意見もありました。
インパクトのある言葉だけ切り取られてしまっていますが、新浪社長は、「45歳の定年制度があったら、20代のうちから勉強するようになる」が伝えたかったようです。さて、新卒採用の面接では「キャリアパス(キャリアアップ)はどうなっているのか?」といった定番質問がありますが、皆さんはどのように説明しているでしょうか。
会社にもよりますが、模範回答としては「10年目に役職がつき、15年目から20年目頃に管理職になる方が多い」「部署ごとの求人は社内共有されるので、興味があれば異動届をだせる」「5年単位で部署異動できる仕組みがあり、様々なスキルを学べる」といった説明でしょうか。
ただ新浪社長の発言通り、会社に頼らない姿勢が重要だとしたら、面接官も会社に頼らないことを前提とした説明が必要ですよね。例えば…
「無形商材の法人営業は、転職市場でのニーズが高いので、将来的に転職する可能性を考慮するなら、弊社で経験を積んでおくのにデメリットはない」「エンジニアになってプログラミングを身に着ければ将来的にフリーランスで稼ぐことも可能になる。そうした考えも弊社は受け入れているし、技術レベルに応じた研修体制は自信がある」といった説明になります。
会社に入りたいといった就活生に、転職を視野に入れた説明をすることに、違和感を覚える人もいるかと思います。しかし、これからの時代は会社内価値よりも、市場価値を上げる説明のほうが適切なのかもしれないと、今回のニュースで感じました。
本当に相手のことを考えているのであれば、新浪社長と同じく「どんな環境(会社)でも通用するキャリア設計を考えるなら、20代のうちから目的意識をもって学ぶ努力が必要。会社がどうこうというより、自分自身のやる気次第だよ。」と伝えてあげたいですね。