新卒採用の選考過程に適性検査(SPI試験)が広く普及し、多くの企業が適性検査を実施しています。様々な理由から導入している企業が増え、その複雑なニーズに応えるために適性検査も多様化してきました。毎年導入していると何気なく続けてしまいがちですが、いま改めて考えたい適性検査のメリットや注意点をまとめました。
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性格適性検査(SPI試験)は、個人の能力・性格・適性・パーソナリティを見るために実施されるテストです。指定のテストセンター会場に出向きパソコンで受験するタイプと、自宅のパソコンから受験するタイプの2つのパターンがあります。
多種多様な適性検査ですが、代表的なのはリクルートマネジメントソリューションズ社が提供しているSPI試験と呼ばれる性格と能力の2領域を測定できる適性検査です。2015年実績では約11,000社が導入されており、約181万人が受験しているそうです。
マイナビ2017の最大会員数は約70万人(リクナビ2017もほぼ同数)から考えると、一人2回以上は受験していることになります。企業によっては基礎学力・英語力・一般常識を見極めるテストや、企業が独自におこなっている場合もあります。
適性検査のメリットは「面接のスクリーニング」「採用工数の削減」「選考基準の統一化・補助ツール」「配属の参考材料」等が挙げられます。選考フローが多いとマッチングを図る機会が増えますが、その分負担も増えます。そのため適性検査でスクリーニングをかけることで、初期選考の負担が大幅に軽減することができます。
また、面接では面接官の主観や好みによって判断にズレが生じ、短時間で人物像を正確に把握することはかなり難しいです。優秀な人材を逃さないためにも、適性検査を活用することで客観的な判断をすることが可能になります。
近年では職場のストレス環境が社会問題化しているため、ストレス耐性系が人気です。そもそもストレス耐性が低いと環境の変化に柔軟に対応できない場合もあり、早期離職を避けるためにもストレス耐性をチェックできる適性検査が注目されています。
本屋の就職活動のコーナーには適性検査の対策本がかなり充実しています。就職支援会社も対策本の購入を積極的に推奨しており、マイナビ2018では適性検査対策WEBテストが標準機能として備わっています。
そうした外部環境に伴い、試験対策をおこなっている学生も多いです。事前に企業の求める人物像を考え、行動力・積極性・協調性など企業が好む内容や職種に適した結果に操作してくる場合もあります。
また、適性検査の種類や内容によっては受験時の体調や気分によって検査結果に多少のブレが見られたりします。就職開始直後・中盤・終盤では企業選びの軸や職業に対する興味・志向・職業観も変化している学生が多いです。必ずしも本人の資質や能力が100%正しい結果が得られるとは限りません。
適性検査を過信しすぎると優秀な人材を見逃してしまったり、配属を失敗してしまったりする可能性があります。選考のためのツールのひとつとして、適性テストはとても有効なツールですが、あくまで選考や配属の参考程度と考えることをおススメします。適性テストだけでなく、面接で直接会って話すことで総合的に判断するのが一番であることは間違いありません。
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新卒採用で有効な適性検査のメリットや注意点(148KB)