Column採用コラム

2024.03.27

お役立ち事例集

未来のリクルーターを育てる!新卒採用におけるアサーティブなコミュニケーションとは?


今回のテーマは「新卒採用におけるアサーティブなコミュニケーションとは?」です。
結論から申し上げると、アサーティブなコミュニケーションを実践することで、新入社員が自分の言葉で「ビジョンや仕事の魅力・楽しさ」を語り発信できるようになり、新卒採用担当者としては嬉しい「未来のリクルーター候補」を社内で育てる文化が根付きます。

世代間のミスコミュニケーションについて

日本人は「自己犠牲を美化する」価値観が他国に比べ強いと思います。

この価値観のおかげで、団塊世代の元企業戦士が、高度経済成長を引っ張ってきてくれました。また、このような価値観を持つ親に育てられた私のような世代(40 代以上)は、色濃く自己犠牲の価値観の影響を受け、例えば「寝ないで我慢して仕事するのは当たり前」といった根性論が、若手社員(20代)のころは通用していたように思います。

個人的な意見として「一見無駄のように思える時間を投資した後の達成感や、仲間との一体感を得られること」に、何か美学を感じていたのかもしれません。

しかし、時代は変わり「自己犠牲を美化する」会社は「ブラック企業」、他方で「年間休日数が多い」「有給取得率が高い」会社は「ホワイト企業」と称され、「タイパ」を大切にしているZ世代の若者からは「ホワイト企業」が選ばれるようになりました。

このように世代によって価値観は異なるため、Z世代の若者が入社すると、お互いの言動に「自己中心」的なもの感じ、世代間でミスコミュニケーションが生じるのは必然だと思います。
特に、新卒採用担当者の皆様にとっては、これから始まる新入社員教育・研修後の時期は、受入れ部署との調整で何かとストレスを抱えることもあるのではないかと想像します。

アサーティブなコミュニケーションとは?

このような状況で有効なのは「アサーティブ」なコミュニケーションスタイルです。相手の自己主張する権利を認めたうえで、自分自身の意思や権利を主張するやり方です。自他を尊重しながら自己主張するコミュニケーションスタイルのことで「パッシブ」「アグレッシブ」とよく比較されます。

パッシブなコミュニケーションとは、自分の言いたいことを我慢し、自分の意思や権利を自分自身で守れないような「自己犠牲」的なコミュニケーションスタイルです。

アグレッシブなコミュニケーションとは、相手の権利を尊重せず、自分の権利ばかりを感情に任せて主張して、自分の正しさを人に押し付けるような「自己中心」的なコミュニケーションスタイルです。

例えば、新入社員が配属された部署で、失敗し落ち込んでいるとき、アサーティブなコミュニケーションだと「それは、大変だったよね。」と、新入社員の気持ちを尊重しつつ、「原因は何だったと思う?今すぐ改善できる何かがあるとしたら?」と、伝えなければいけないことも、しっかりと伝えます。

とはいえ、異なる価値観を持つもの同士のアサーティブなコミュニケーションは、簡単ではありませんよね。「パッシブ」もしくは「アグレッシブ」なコミュニケーションになりがちです。

異なる価値観を受け入れるとは?

そこで、今回は「異なる価値観を受け入れるとは?」という視点から、新卒採用における「アサーティブなコミュニケーション」を深堀したいと思います。

人それぞれ価値観は多種多様です。

自分の価値観を大切にできる職場環境にいると、自分らしく幸せな気持ちになりますし、自分の幸せが周りの人たちにも伝わり、幸せの輪が広がります。

他方で、自分の価値観を大切にできない職場環境ですと人間関係に問題が生じてやる気を失います。この場合、大抵は「あの人がこんなことを言っていた!ひどい!信じられない!!」等、味方になってくれる人に話しをして、心のモヤモヤを解消するかと思います。しかし、これは、その場しのぎの解決策で、時間が経つとまた同じような問題が生じます。

では、どうしたら、いつも自分らしく幸せな気持ちでいられるのか?

それは、自分が大切にしている価値観をしっかり認識することです。そして「私が理想とする未来はこれだ!」という明確なビジョン(自分軸)をもって、相手に自分の考えを伝えることができれば相手に惑わされることが減ってきます。ただ、これだけでは不十分で、相手に自分の考えが伝わるように、信頼関係を結ぶ必要があります。

「自分とまったく価値観の違う人と信頼関係を結ぶのは無理!!信頼関係を結ぶくらいなら自分で何とかする!!」

と思いがちですが、このような選択をすると、最終的には、自分が苦しむことになってしまいます。

では、どうしたら信頼関係が結べるのか?

それは「相手の話を聴いて相手の感情の動きに共感する。」です。ここで注意するのは「同感」ではなく「共感」です。まったく自分には理解できない相手の話に「同感(自分のことのように受け取る)」すると、自分の心がザワザワして、その場から立ち去りたい気持ちになるだけです。

しかし「共感」であれば、相手の話を傾聴して、自分の心の中ではなく、相手の心の中に、相手の感情を戻してあげるだけ良いです。

イメージでいうと、相手がボールを投げてきたとしたら、そのボールを「自分は受け取らずに壁となり」そのボールを相手に優しく戻してあげるイメージです。ボールを優しく戻してあげる『思いやり』を 少しだけ持てると、相手は嬉しくなります。

これが信頼関係を結ぶです。

そして、相手の顔が少し嬉しそうになったら、自分の大切にしている価値観や、理想の未来を伝えてみてください。相手が少しだけ自分の方に歩み寄ってくれる瞬間があるはずです。この時、これまでとは違うポジティブな感情が自分の中に生まれたなら、それが「異なる価値観を受け入れる」です。

このようなプロセスを経て、新入社員が自分の言葉で「ビジョンや仕事の魅力・楽しさ」を語り発信できるようになると、新卒採用担当者としても嬉しいのではないでしょうか?

是非、未来のリクルーター候補を育成する気持ちで、アサーティブなコミュニケーションを実践してみてください。

一覧へ戻る