Z世代は、自分らしさを重視し、無理なく適度な距離感を保ちながら成長したいと考えています。仕事とプライベートのバランス、人間関係、働く場所においても、自分らしさを保ちながら選択できることを重視しています。企業側では、リスキリングや働き方の変化が進む中、Z世代が持つ特徴を理解し、彼らが積極的に成長できる環境を整えることが求められています。
Z世代の特徴と心情
自分らしさを重視し、無理なく、適度な距離感を保ちながら成長したい
-学びを重視し、楽しみながら新しいことを学びたい
自分らしさを大切にし、「今」や「可能性」を楽しみたいという心情があります。
-プライベート重視で、無理のない範囲で仕事をしたい
タイパ・コスパよく期待に応えたいという思いが強いです。
-失敗から学びたいが、他人の評価も気になる
着実にできることから取り組みたいという安定志向があります。
-チームワークや対面でのコミュニケーションを重視
人とのつながりを大切にしたいという意識が強いです。
-指導者には、意図がわかる指導としっかりとした評価を求める
正解に向かってまっすぐ進み、期待されると頑張れるという特性があります。
-働く環境や企業理念への共感が非常に重要
共有・共感をしながら物事を進めたいという心情です。
-多様な働き方を推奨する会社で働きたい
最終的には自分で選択したいという意思を持っています。
現場・人事の関わり方
積極的に成長できる環境を整え、企業理念・組織文化を伝承する
Z世代の特徴を踏まえ、以下の5つの観点から新入社員への成長支援が必要です。
1. 継続的なキャリア形成支援
- 自己理解の促進:アセスメントツールやフィードバックを活用し、自分の特性やキャリアの方向性を明確にします。
- キャリアビジョンの明確化:自分と組織の理念やサービスとの関連性を理解し、自分らしいキャリアビジョンを描けるよう支援します。
- サポート体制の強化:上司やキャリアカウンセラーとの相談機会を増やし、具体的なキャリアパスの行動計画をサポートします。
2. 個別最適な関わり
- 自己理解の深化:客観的なデータを基に、自己の成長方向性や課題を明確にします。
- 多様な意見の収集:さまざまな意見に触れ、自己決定を促進し柔軟な対応力を養います。
- 相互理解の促進:相手の考え方を深く理解し、チーム内の信頼関係を深めます。
3. 小さな成功体験の積み上げ
- 段階的な成長支援:未来のありたい姿を意識させ、具体的なキャリアの道筋を示します。
- 経験蓄積型の学び:トライ&エラーを繰り返し、安心感や成果を実感できるようにします。
- 自走までの伴走支援:初期段階での不安を解消し、徐々に自律した活動に移行させます。
4. 振り返る機会の提供
- 短時間の接点頻度:設定目標の進捗や課題を定期的に振り返り、早期に調整や改善を行います。
- 感情のコントロール:振り返りを通じて感情や思考を言語化し、自己認識を深めます。
- 内省と具体的なフィードバック:深い内省と指導者からの具体的なフィードバックを通じて、自己認識力を高めます。
5. 学び合えるチームづくり
- 目標や課題の共有:チームの方向性や優先順位を明確にし、メンバー間の認識のズレを最小限にします。
- アジャイルな課題対応:状況や新情報に対応し、最適な解決策を見つけ出します。
- 継続的な対話の場:定例や1on1を活用し、フィードバックし合える心理的安全性の高い職場を作ります。
学習テーマと成長ステップ
成長の羅針盤で、自ら歩むキャリアをデザインする
新入社員や若手社員が職場で満足度の高いキャリアを築くためには、以下の学習テーマと成長ステップが必要です。
学習テーマ
- 基本行動: 企業理念の理解と共感、基本的なビジネスマナーの習得。
- 考え方と態度: キャリアデザイン、マインドセット、自己認識力の強化、内省とフィードバックの活用。
- 前に踏み出す力: 主体性の発揮、多様な経験からの学びと成長。
- チームで働く力: 言語化によるコミュニケーション、レジリエンス、リーダーシップ、支援者との連携。
- 考え抜く力: 問いを立てる力、広い視野の醸成。
成長ステップ
- 土台(STEP1):キャリアデザイン、マインドセット、言語化によるコミュニケーション、自己認識力の強化、内省とフィードバックの活用。
- 働くことへの適応(STEP2):基本的なビジネスマナーの習得、主体性の発揮。
- 自社・組織への適応(STEP3):レジリエンス、リーダーシップ、支援者との連携、企業理念の理解と共感。
- 社会環境変化への適応(STEP4):多様な経験からの学びと成長、問を立てる力、広い視野の醸成。
※参考文献:イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2023(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)