Wantedly(ウォンテッドリー)という採用メディアをご存知でしょうか。様々な採用手法・採用媒体が生まれていますが、ここ数年で知名度を上げているのがWantedlyです。名前だけ知っている人も、初めて聞いた人も地方企業が活用する前に知っておきたい事前知識や注意点をまとめました。
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Wantedly(ウォンテッドリー)とはウォンテッドリー株式会社が運営しているビジネスSNSです。事業内容ではSNSと説明されていますが、世間一般では転職サイト(求人サイト)と認識されています。2017年9月14日に東証マザーズに上場されました。
月額課金制の掲載モデルとなっており、契約期間にもよりますが掲載料金は月額3万円~50万円です。2017年8月末時点で約25000件の募集案件が掲載されており、中途採用として利用する企業が多いですが、新卒採用・アルバイト・インターンも掲載できます。
2017年8月末に同社はネガティブな評価を書きこまれたブログに対してDMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)を用いて、検索結果から当該記事を削除するよう申し立てました。そしてブログに対してのツイートも削除するよう申し立てた行動が一気に拡散され問題視されました。
この行動は著作権侵害を理由に削除を申し立てたと同社は主張されていますが、悪評の隠蔽に繋がっているとして多いに非難・炎上される結果となりました。上場前に悪い意味で注目を集めてしまったウォンテッドリー株式会社ですが、今回はあくまで求人サイトとして客観的な視点から評価させて頂きます。
Facebookからの集客が中心となっているため、相性の良いIT/WEB系企業が掲載企業の中心。募集されている職種はエンジニア・デザイナー・ディレクター職が多く掲載されています。
Wantedlyでは募集要項において給与の項目はなく、掲載することができません。これは年収など条件のマッチングではなく、どんなチームで働くか、どんな企業理念・ビジョンを持った会社で働くかの共感マッチングを重要視しているメディアだからです。
このモデルには賛否両論が分かれており、「大手企業と待遇面で比較されなくて助かる」と言う意見や、「最終的に給与の公開は必要なので、公開されていたほうが後々揉めない」とする意見もあります。
特長的な機能としてWantedly Feedと呼ばれるブログ機能があります。有価証券報告書にも書かれていますが、このブログ機能を活用できている企業と出来ていない企業で応募数が約3倍違ってきているそうです。
つまり従来の求人情報サイトのように、ただ掲載して応募を待つだけでは期待できる効果は低くなります。もしも掲載を検討するのであれば定期的にブログ機能を更新する必要があります。ポジティブに考えれば掲載料金で注目度や掲載順位が変化する仕組みではないため、中小企業でも求職者にアピールできるチャンスが高いと言えます。
デメリットは、更新が必要不可欠な点です。上述している通り更新の有無で大きな差が出ます。自社にライティングスキルの高い人材がいなければ活用が少し難しいと言えるかもしれません。考え方次第では掲載後も更新が必要なため、中小企業にとって負担の大きい求人サイトです。
Wantedlyの掲載数は首都圏が中心で、地方の掲載数は少ないです。8月末時点で北陸・甲信越エリアで182件とサイト全体の0.7%。そこから福井県で検索すると62件しか掲載されておらず、まだまだ首都圏や主要都市以外の活用率は低いと言えます。
ただし、20代ビジネスパーソンに利用されているFacebookからの集客に強い点から今後の成長に期待できるメディアだと考えています。首都圏に住んでいるIターン・Uターンの促進として活用するのも面白いのではないでしょうか。
もしも採用予算に余裕があればこうした求人サイトにチャレンジしても面白いかもしれません。ただし更新担当者や運用方法など事前にルール化した上で掲載したほうが失敗しなさそうです。競合他社がいない時期だからこそ掲載する価値があるかもしれませんよ!
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地方採用とWantedly(ウォンテッドリー)の相性(146KB)