就職活動において大変だったことを学生に質問すると大抵は「履歴書やES(エントリーシート)」だと回答されるでしょう。新卒採用にいまだ残る手書き文化が大きな負担になっていることが挙げられます。今回は手書きの履歴書を廃止するメリットと、なぜおススメするのか理由をまとめました。
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なぜ企業はデジタルの時代においても手書きを要求するのでしょうか。一般的に言われているのが「文字の丁寧さが性格を表す」「想いは手書きじゃないと伝わってこない」「手書きによって本気度を見る」「志望が高ければ手間は関係ない」といった意見です。
トヨタ自動車など就職活動の人気ランキング上位に入る企業であれば、志望度の低い学生を落とす意味で手書きを要求するのはいいかもしれません。もしくは買い手市場と呼ばれる時代で企業が学生を選びたい放題であればエントリーハードルを上げるのも有効です。
一方で、母集団確保がこれだけ課題とされている中で、学生の負担を上げるようなことはもう時代遅れと言われています。アメリカなど先進国からの留学生に手書き文化について聞くと「日本の風習は理解できない」と発言する人もいるほど世界的に見ても特殊なルールであることがわかります。
就活生だけでなく採用担当者にとってもメリットはあります。これまでエントリーした学生に会社パンフレットとエントリーシートを郵送する企業も多かったと思いますが、電子データにすることでペーパーレス化が実現でき、効率化と同時に採用コストを減らすことができます。
履歴書は各個人が自由な様式で提出されてしまい読みづらい・物足りないと思ったことはありませんか。電子データの利点は会社が様式や型式を指定することで、履歴書の項目が統一でき、読みやすくできる点です。
郵送といった業務負担が減ることで本来やるべき業務に専念でき、管理も簡単です。数百人分の履歴書を管理・保管するだけのスペースも不要になり、万が一の紛失のリスクもなくなります。
意外に多いのが会社説明会で履歴書の持参をお願いしていても忘れてしまう学生がいることですが、電子データならファイルデータさえあれば外出中にコンビニエンスストアのコピー機でプリントアウトができます。あらかじめ登録しておけば、24時間365日いつでも全国どこのセブンイレブンのコピー機で印刷可能と非常に便利です。苦肉の策ですが、忘れた学生には(パソコンさえあれば)会社説明会中に書いて提出してもらうこともできます。
会社自らがPDFファイルではなくワード形式もしくはエクセルで作成した独自の履歴書用紙を用意して、自社サイトからダウンロードできる仕組みにしましょう。提出方法もWEB上での登録方式もしくは指定アドレスへのメール送付が一番簡単な方法です。
段階的に進めていきたい場合は手書きの廃止だけ認めてみてはいかがでしょうか。あくまでエントリーシートは郵送してほしい企業はナビサイトで手書き廃止の旨を告知するだけで就活生からの印象はアップすると思います。リクナビが導入しているエントリーシート・履歴書を効率的に作成・提出できる「OpenES」の仕組みを導入するのも有効的です。
アメリカなど欧米ではありえないとされている日本の手書き文化。日本の優秀な人材は外資系に奪われている現実がありますが、こうした非効率な文化が敬遠される理由の一つなのかもしれません。
昔であればマナーと考えられていた手書き文化ですが、現在では合理的理由がない非効率な行為だと思われています。母集団確保が難しいのであれば、手書きを無くすことで就活生のストレスフリーを実現してみてはいかがでしょうか。
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手書きの履歴書を廃止して学生の母集団を増やしませんか(138KB)