企業説明会の最後にアンケートを依頼する企業も多いかと思います。アンケートの役割は顧客満足度を調査し、改善に繋げていくことです。しかし、質問内容を間違ってしまうと参考にならないデータや、間違ったデータが集計されてしまうことがあります。せっかくアンケートを集めるなら、しっかり分析できる内容にしないといけません。企業説明会のアンケートで使いたい質問内容と注意してほしいポイントをまとめました。
目次
アンケートで失敗しがちなのは漠然とした質問を設定してしまうことです。よくあるのが「今回のセミナーの満足度は何点でしたか?」という質問です。「まあまあ」という評価でも個人によって50点から70点と幅広い基準があります。この質問は回答しづらく、大きな個人差が出てしまいます。
「セミナーの満足度は五段階評価ならどれですか?」もよく見かけますが、改善点が曖昧になり、次に繋げにくい質問です。五段階評価の選択式は回答しやすいですが、具体的な部分を明確にしなければいけません。「セミナーの事業内容の説明は五段階評価ならどれですか?」なら就活生も回答しやすく、プログラム別の改善に繋げられます。
アンケート調査において、一番重要なのは「どの部分」に「どれくらい満足しているか」を把握することです。これが明確になれば、次に「何をするべきか」を実践しやすくなります。
アンケートを作り始めると、多くの質問を聞きたくなってしまいますが、多くても10問が適切な質問数です。多すぎると回答が面倒だと感じ、回答者数も減ってしまいます。また質問数が多いと、集計作業も大変になります。そうならないためにも厳選した質問に絞らなければいけません。
自由記入欄は極力減らし、任意項目を明記するなど回答者側の負担をできるだけ減らす工夫が必要です。自由記入欄は就活生にとって記入しづらく、時間もかかります。負担が大きいと、いい加減な回答も増えてしまうので注意してください。
あるセミナー講師は回答時間の目安を30秒以内で出来るように設定しています。目的をもった質問に厳選し、選択肢は最小限にしましょう。自由記入欄も必要最低限にまとめて、回答者にストレスを与えないことが大切です。
名前は無記入でも属性は設定しておくべき項目です。内定数やエントリー数は時期によって使い分けてください。文系・理系を把握しておけば、より回答者の属性が把握できます。
5番は説明会の参加率が低い企業におススメの項目です。天候など悪条件が重なると就活生の参加率は極端に下がりますが、交通条件も影響します。満足度が低い場合は、事前メールでの告知や、ビル1階の案内板や看板を用意してあげましょう。
6番は「会社理念の説明」「事業内容の説明」「仕事内容の説明」「選考スケジュールの説明」「福利厚生の説明」と細分化して質問してください。知りたかった内容の具体例を提示することが大切です。
7番は一番重要な質問です。「インターンシップ」「ナビサイト」「ネット検索」「学内セミナー」「就活前から知っていた」を選択肢に加えることで、自社ブランドの認知度や認知した経路・タイミングがわかります。これは母集団形成の大きなヒントになります。
例えばインターンシップを実施しているのに、知ったきっかけの回答者が少ない場合、インターン参加者の満足度が低いことがわかります。インターンのプログラムの問題か、終了後のコミュニケーション問題など改善すべきポイントが見つかりますよね。母集団の確保が難しい今だからこそ、重要な質問です。
8番のその他に関しては余白に「改善点や気づいた点があれば自由にどうぞ」と一言あるだけで、就活生は安心して自由な意見を書くことができます。
アンケートの自由記入欄を設けるなら、ノイジー・マイノリティ(声高な少数派)には注意してください。アンケートを集計すると批判的な意見もあります。批判的な意見は往々にして文章量が多く、非常に目立つ意見です。しかし、この意見に翻弄されてはいけません。批判的な意見はしっかりと受け止めつつ、その意見は大多数の意見なのか、ごく一部の意見なのか、すぐに修正すべき意見なのかを判断する必要があります。
これはサービスの開発現場でもよくあるケースです。一部の特定層だけが発信している苦情やクレームを商品やサービスに反映させた結果、大多数の人にとって不要なサービスや機能が生まれてしまったという話はよくあります。改悪にならないように冷静に分析しましょう。
アンケートは集計が目的ではなく、改善ポイントを見つけることが目的です。当たり前な意見ですが、採用担当者にとって一番忙しい時期であるためアンケート集計すら後回しになってしまうことがあります。
どんなに多忙でもアンケートをとったら当日か翌日には軽くチェックし、資料の誤字脱字の指摘など、すぐに改善できるポイントは早急に対応しましょう。アンケートはあくまで就活生側の善意の協力のもと成り立っています。回答する側の気持ちになって質問を設計し、改善に繋げていってほしいと思います。
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