面接官本人の自己開示や面接者への共感など、細かい面接テクニックの他にも、選考にきた学生からホンネを引き出すテクニックはいくつか存在します。選考にきた学生のホンネを引き出せてこそ面接の意味があると言えますね。そこで本日はホンネを引き出せる雰囲気と空間作りについて3つご紹介します。
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人のホンネを引き出すときに、本音を引き出しやすい空間があることをご存知ですか。人間の心理には解放的な空間よりも適度に何かに囲まれているほうが安心し、リラックスする傾向があるそうです。
動物の本能として外敵からの発見や攻撃を受けにくい場所(せまい場所)を休む空間に選択するとのことで、確かに猫や自然界の動物はせまい場所や部屋の隅を好んでいます。人間でも同じことが言え、天井が高く広い会議室よりも、天井は低めで適度に壁に囲まれている少し狭い会議室の方が人は安心するようです。
大きな会議室にポツンと置かれた椅子に座って面接が開始されるのを想像すると緊張するイメージがつくと思います。面接でホンネを引き出すには相手の緊張をほぐし、安心感を与えることが必要不可欠ですよね。もし、会社内に広い会議室しかない場合には、パーテーション(仕切り)や植栽などを準備し選考にきた学生が安心できる空間を作ってみましょう。
普段の面接はどのような場所と配置で行っているでしょうか。面接の際、面接官と面接者の距離を気にしたことはありますか。実は、面接の際の物理的な距離は心理的距離に比例します。
集団面接では難しいと思いますが、マンツーマンでの面接の場合は表情などを読み取るためにも面接官と面接者の距離は60cm~1.5mほどの距離で行うのがベスト。2mを超えてしまうと相手のちょっとした表情が見えなくなってしまうので注意が必要です。
適度な距離を保つことで学生が安心し、ホンネを引き出しやすくなります(あまり距離が近過ぎるのもNG)。面接の目的は「相手の本質を見出すこと」です。いたずらに緊張させるような空間での面接は避けたいですね。
学生1名に対し面接官が4、5名といった大人数での面接はNGです。何故なら、集団の前では心理面で自己規制がかかり、ホンネを引き出しにくくなるからです。できるだけ多くの社員に会ってほしい、という会社側の意図がある場合は面接の回数を複数回設けるほうがよいでしょう。
ただし、いたずらに面接回数を増やすのは社員(面接官)にとっても、学生にとってもよくありません。多くても4回程度にとどめておくと良いでしょう。または内々定後に時間調整したりするほうがよいでしょう。
社長や役員がいる会議やMTGで、社員のホンネが出にくいのと同じように、あまりに役職が高い社員が面接官だと学生のホンネが引き出しにくくなります。役員や社長面接の前には役職の高くない面接官が面接を担当し、学生のホンネを引き出すようにしてくださいね。
新卒採用シーズンの序盤では面接慣れしていない就活生が多いので、緊張してしまい上手くしゃべれない人が多いです。それも学生の実力の内と考え、緊張している中で普段と同じ力を発揮できるのかを判断したいと考える企業もいますが、意味もなく緊張させてしまうことは避けるべきですよね。
人のホンネを引き出すには、面接テクニックの他にも空間作りや雰囲気作りなど様々なテクニックがあります。このテクニックは面接や面談だけではなく、大切な人と大事な話をしたいときにも有効です。採用時だけではなく、社員育成や社員面談のときにも是非使ってみてください。新卒採用を成功させるために企業側が率先してリラックスできる環境を作ってあげてほしいと思います。
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採用面接で失敗しない空間術3選