Column採用コラム

2018.01.22

内定者フォローレポート

採用ミスマッチ!早期離職する理由と本音<前編>【No.75】

費用と時間をかけて採用して研修を行った新入社員が、入社3年未満で退職してしまうとツライですよね。各企業で定着率を上げるための工夫を凝らしているようですが、新入社員の3年以内の退職率は長年30%のままと言われています。

彼らはハードな就職試験をパスして志望企業へ入社したのに退職していくのでしょうか。実際に入社3年未満で退職した社員のケースをご紹介します。前編では入社までの経緯として採用基準や内定を出した理由をまとめました。

年未満で退職した社員を採用した企業の採用基準

中堅医薬品メーカーB社では例年、夏休み前には新卒採用が終了しました。しかし、9月に入って新薬の認可が来年の初めに下りることがわかり、MR10名を追加採用することが決まりました。B社の営業スタイルは製品の使用方法を医学的見地から医師や薬剤師、検査技師に指導をする学術営業であるため、採用基準を他社よりも厳しくしていました。

【本来の採用基準】
・旧帝大またはハイクラスの理系私大
・生化学系または医学系の学部生または院生
・薬学部の学生
・頭の回転が良い(機転が利く)
・書類選考で作文を提出できる文章力がある
・最低限のビジネスマナーと言葉遣いができる

しかし、追加募集が9月下旬に始まったためDM配信やスカウトをしても採用基準に見合う学生の応募がなく、採用基準を下げて10名採用する方針へ変更をして募集を行いました。

【追加募集時の採用基準】
・旧帝大またはMARCHクラス
・経済・経営、スポーツ科学系、理系の学部生または院生
・頭の回転が良い(機転が利く)
・書類選考で作文を提出できる文章力がある
・最低限のビジネスマナーと言葉遣いができる

追加募集で応募してきたAさんは高校時代に生化学系は得意でしたが数学が苦手なため、親の勧めで有名私大のスポーツ科学部へ入学しました。当初は両親の勧めもあり大手や有名企業を受験しましたが不採用になり、その後は自分の興味を持てる職種や企業を、親に相談しながら選んで就職活動を行っていました。そこでB社の求人を目にしてB社の学術営業に高い関心を持ち応募をしました。

【AさんのB社を受験した時の志望動機】

高校時代に生化学系に関心を持ち医療系に携わりたいという希望があったが、大学受験に失敗。その後、分野が少し異なる学部へ進学したため医療系の仕事に就くことを諦めていたが、B社の営業であれば高校時代からの夢を実現できると考えて応募。

Aさんを採用した理由

選考の結果B社では下記の理由により採用としました。

・大学のレベルが採用基準を超えている
・学部が少し気がかりだが人体について学んでいる
・スポーツで全国大会の出場経験があり、営業職として体力的に問題なし
・B社について深く研究しており入社意欲が高い
・明るく前向きでハキハキと答え、礼儀正しい
・適性検査でも問題なし

退職するまでの経緯と退職理由

Aさんは入社後に問題を起こすようなこともなく、MRとして経験を積んでいました。B社には独身寮があり、Aさんの同期は全員同じ寮に入っていたことから同期で勉強会を開催しており、同期の結束が固いと社内でも有名でした。そのため、Aさんが退職を考えていることに誰も気がついていませんでした。

しかし、入社して2年経った頃にAさんの上司からAさんから退職したいとの申し出があったが「Aさんの明確な退職理由がわからず引き留めることができない」という相談が人事部にありました。「本当の退職理由は上司に言いにくいのではないか」という人事の配慮により、採用から入社後の新人研修まで担当していた人物が退職面談を行うことになりました。

まとめ

次回、後編に続きます。後編ではAさんが伝えた退職理由と採用のミスマッチについてお話したいと思います。
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採用ミスマッチ!早期離職する理由と本音<前編>(296KB)

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