新卒の1人当たりの採用単価は50万円と言われています。今後、ますます少子化が進んで行く中で、この単価が高騰することが予想されています。しかし、企業の予算は削減傾向にあるため新卒採用に費用をかけることができません。
「優秀な社員は欲しいが費用がない」のが採用担当の大きな悩みです。そこで、費用を抑えながら新卒採用を進めていくために、大学の就職課・キャリアセンター・就職支援センターの訪問方法を覚えておきましょう。
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少子化対策を懸念しているのは企業だけなく大学も同じです。各大学や専門学校では就職率をアップすることで「就職に強い大学」というイメージを確立するべく、従来の就職課を「キャリアセンター」や「就職支援センター」と名称を変えて力を入れて改革しています。
就職課としても企業の求人票を歓迎している大学もあり、企業から積極的にアプローチしていくことで企業にも十分メリットを得ることができます。
全国の大学の就職課を利用するのに費用はかかりません。例えば、首都圏であればMARCHも早慶も日東駒専への求人票の掲示も無料です。また、駒澤大学や東洋大学などが参加している大学共同参加求人受付NAVI(http://www.kyujin-navi.com/uketsuke/top.asp)では、1度求人内容を入力すれば、一度に複数の就職活動をしている学生に求人を検索してもらえます。
例えば、中央大学では2月に参加企業数が800社を超える学内合同説明会を開催しています。中央大学側で参加企業を「卒業生が活躍している」「学生のニーズがある」「頻繁に来校してくれる」「遠方からでも参加したいという熱意がある」の4項目で選定をして声かけをして無料で開催します。
学内合同説明会の場合、リクルートやマイナビが開催しているような企業と異なり、対象学科のある大学で行うため、会場にいる学生すべてが採用対象になるので効果的な採用活動を行うことができます。
学習院大学では就職課の人がコーディネーターの役割を果たしてくれ、企業に合った学生を紹介してくれます。就職課を頻繁に利用する学生は真面目な学生が多いので、採用対象として非常に期待が持てます。
就職課を味方につけると、急遽追加募集を行うことになった時に単独で説明会を開催させてくれることもあります。
就職課を味方につけるとメリットがあることがわかりましたが、ではどのように交流を深めていけば良いのでしょうか。順を追ってご紹介しましょう。
たとえ全学部全学科が対象であっても学校のレベルや研究内容でしっかり絞り込んでターゲット校リストを作成しましょう。在籍社員の出身大学もリサーチしてターゲット校リストにしても良いですが、あまり古い社員だと現在の学校のレベルと異なる場合があるので、遡っても10年以内がベストです。ターゲット校リストには例年訪問している学校や内定者の学校は必ず入れましょう。
就職課には最低でも月に1回は訪問して、顔を覚えてもらわなければなりません。そのためには、訪問担当者を変えずにアピールしていくべきです。通勤経路から近い人を担当にすると、出社前に立ち寄ることができるので良いかも知れません。
訪問前には必ずアポイントを入れてください。採用担当に営業経験者がいると良いですが、多くの採用担当が人事部内から異動になった人が多いと思います。アポイントを取る前にはスクリプトを作成して、電話をすると自信を持って話をすることができます。
<スクリプト例>
突然のお電話で失礼いたします。
私、株式会社XXXの採用担当○○と申します。
当社は2009年に経済学部の○○さんが入社して現在も活躍しています。
2019年も新卒採用を行うため情報交換をさせていただきたいと思い、ご連絡させていただきました。
つきましては、来週か再来週で10分程度お時間をいただけませんでしょうか。
なお、研究室の教授を訪問する際には先に教授のアポイントを取りましょう。
◆求人票、採用スケジュール、会社案内のセットを企業名の入ったクリアファイルに入れたセットを3~5部
※学校指定の求人票がないか学校のHPを確認
※求人票に書ければOB・OGの活躍状況を記載
◆名刺
◆OB・OGで一緒に行ける人がいるか調べる(必ず同行しなくても良い)
◆OB・OGリスト(活躍状況も含めて)
◆訪問学校の情報を頭に入れておく
◆10分間に話す内容をまとめておく
・企業の魅力を一言で言えるようにしておく
・最新の採用情報の告知方法
・採用ポイントをアドバイス
・OB・OGの活躍状況 など
なお、手土産は不要です。大学の規定により受け取れないことがあり、気まずい思いをさせてしまうので用意する必要はありません。
訪問学校に好印象を持ってもらわなければなりません。当日はビジネスマナーを守り、スーツに準じた清潔感のある服装で礼儀正しく訪問しましょう。笑顔でハキハキと話し、訪問先の担当者の質問には誠実に対応をして「学生を預けられる企業だな」と思ってもらえるようにします。
そのうえで、就職課担当の教授や採用学部の教授を教えてもらいましょう。特に理系は研究室とのつながりが重要です。研究内容の近い研究室があれば教授を紹介してもらえるようにしなければならないので、第一印象が決め手になります。
帰社したらすぐに訪問のお礼メールをしましょう。もし、訪問時に宿題(要望や返答できなかった質問)があったらすぐに調べて返事をするようにします。
顔を覚えてもらえるまで訪問しましょう。しかし、用事もないのに訪問をしては相手に迷惑がかかります。説明会の告知、インターンシップの共同開催、研究内容が近い研究室の教授を研究所へ招待するなどの提案を行いながら交流を深めていきましょう。
最後に、就職課を訪問するときの注意点を頭に入れておきましょう。
基本情報さえ書いておけばいいだろう、という書き方では学生を惹きつけることはできませんし、就職課の担当者も学生へ勧めにくくなります。
事業内容の領域、具体的な仕事内容、対象学校からの採用人数、採用学部・学科、採用ポイント、歓迎する人の特徴などネット媒体に記載している内容を網羅するようにしましょう。
ちなみに、理系大学では「全学部・全学科対象」と記載すると学生はスルーする傾向にあります。理系大学への求人票には対象領域まで記載するようにしましょう。
就職課の担当者も暇ではありません。どこの大学の学生でもいいから優秀な学生が欲しいという姿勢で訪問すると嫌われます。継続的に足を運ぶのであれば、「こういう理由から○○大学の学生を採用したい」と言えるように理由を明確にしておきましょう。
質問には誠意を持って返答をするのはもちろん、その場で回答できない問題は帰社してからすぐに確認をとって返事をしましょう。また、大学とインターンシップの共同開催をしたい、といった大規模な要望でも上の人に掛け合うだけでもアクションを起こして、大学側の要望には応えるようにしてください。
就職課訪問で優秀な母集団形成を行い、その母集団を確実に確保するためには内定者フォロー&採用支援アプリ「Chaku2NEXT」がおすすめです。Chaku2NEXTは、内定者だけでなく母集団形成(3年生の春・夏)の段階から入社まで、最大約2年間優秀な学生をフォローすることができます。就職課訪問と採用支援アプリで、万全の母集団形成・インターンシップ準備をして備えましょう。
大学と協力関係を築きたい企業が増えています。その中で大学に選んでもらえる企業の採用担当になるには、「学生を任せられる安心感と信頼」を持ってもらえることにすることです。学校訪問が不安だという人は営業部に営業の極意を学んでから訪問しましょう。
◆コラムPDF版はこちらからダウンロードできます↓
就職課(キャリアセンター・就職支援センター)の効果的な訪問方法と注意点(201KB)