TwitterやFacebookなどSNSを使った採用活動をしている企業が多くなっていますが、SNSはコストも抑えながら社風や働き方を紹介できる反面、使い方を誤ると企業のイメージダウンにつながる危険性をはらんでいます。今回は実際にあったトラブルを元に安全なSNSの運用方法をご紹介します。
目次
1)2013年10月2日の読売新聞によると、某一部上場企業で2014年4月に入社予定の内定者のFacebookに登録している1600人の個人情報が公開状態になっていました。Facebookでは登録している情報を「公開」「非公開」「秘密」の3つから選べますが、この設定を「公開」にしていため内定者の顔写真から大学名、実名などが他人から見える状況になっていたとのことです。
2)違う別の企業では「内定者2014」というグループ名で内定者のコミュニティを設置しましたが、こちらも「公開」状態になっていたために「2014年 内定者」とネット検索をすると検索ページに表示される状態になっていました。
1)2011年3月13日にA社の採用担当から届いたメールを学生がネットの掲示板に公開。公開された内容が東日本大震災後にもかかわらず、被災者に対して配慮に欠ける内容だったためにネットユーザーから批判が集中して炎上。現在でも文面がほぼ公開状態のうえ、採用担当者の写真がネットにアップされています。
2)B社の社員が、採用担当者を装い採用面接の様子をGoogle+で実況。この映像を見た人から「個人情報保護法違反」「プライバシーが守られていない」など批判が集中。後にB社は社員のイタズラによる架空の面接を実況したものだと説明しました。
1)C社がTwitterの公式アカウントで採用状況を発信。採用担当者が面接に来た学生の評価まで発信して炎上。後日、企業は個人情報の扱いを徹底すると反省の意を表しました。
2)学生がTwitterで「内定先からオワハラを受けた」と発信した内容が拡散。
3)学生が就職活動を終わらせるように企業から説得されている内容を録音してYouTubeにアップ。
4)D社の元インターン生が「日当8,000円で9:30~23:30まで働かされた」と発信し拡散された。
ではここまでにご紹介したトラブルを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。対策方法をご紹介していきましょう。
①企業全体で個人情報保護法やSNSに関する対策を行なう
すでにPマークを取得している企業は、定期的に個人情報保護法に関する教育を実施していると思いますが、SNS対策まで実施できていない企業は多いでしょう。SNSのちょっとした発言が新卒採用だけではなく、企業のイメージダウンや売り上げに影響するため、企業全体で取り組むことが重要です。
<対策方法>
・SNSに関する社内ガイドライン策定
・企業HPにSNSに関するガイドラインを公開
・全社員にSNSのガイドラインと個人情報保護に関する教育を定期的に実施
・HPでSNSの公式アカウントとページを表示して「なりすまし」を防ぐ
・個人情報が漏れてしまった時や炎上トラブル時の対策を決めておき、万が一トラブルが起きた時は早急に対応する
②新卒採用のパンフレットや募集要項にプライバシーポリシーを明記
採用業務は個人情報しか扱っていないと言っても過言ではありません。募集時に集めた個人情報を採用業務以外で使用しないことを明記しておきましょう。一言明記するだけで個人情報保護法違反を防ぐことができます。
③内定者フォローにFacebookを使用しない
新卒採用管理システムに内定者フォロー用SNS機能が付いているものや、低価格の内定者フォロー専用のSNSサービスがあります。プライベートで利用している既存のFacebookを使用することを嫌がる内定者もいると思いますので、Facebookを使用せずに、内定者フォロー専用のSNSサービスを使用すれば個人情報が公開状態になることを避けられます。
よく言われることですが、採用担当は企業の広報を担っています。採用担当者の対応一つで企業のイメージを損なってしまい、母集団形成が困難になることが考えられます。自分で自分の首を絞める事態を引き起こさないように、自分が扱っている情報の重要性や担っている役割の重さを忘れずに採用活動に取り組むようにしましょう。
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