新卒者の採用シーズンが始まると、どの企業もあの手この手で就活生を集めるための工夫をしていると思います。しかし、今まで行ってきたアピール内容は、就活生が求めるものとずれてはいないでしょうか?
企業が必死に行っているアピールは、就活生側が求めるものとは大きく異なっていることがあります。最近の就活生が求める企業の特徴と企業側の認識のずれについてまとめました。
目次
新入社員たちが「入社してすぐに仕事で活躍したいだろう」と考え、「すぐに活躍できる」「即戦力になれる」と魅力をアピールする企業があります。しかし、そのようなアピールはリクルートキャリアが実施したアンケート結果によると実際には就活生が求められていないことがわかります。
むしろ就活生側は企業に対して「すぐに活躍」「即戦力」よりも、「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」と考えています。そして具体的な仕事内容についてもっと知りたがっています。
「楽しく働きたい」とは、決して楽をしたいという意味ではありません。仕事のやりがいは大前提ですが、それ以外にも営業部の人数やメンバー構成を伝えることで、一緒に働きたいと思える人がいるかどうかを知りたいという意味合いが強いでしょう。
「個人の生活と仕事を両立させたい」とは、残業時間や、離職者数(離職率)、有給休暇の取得日数・取得率も気にしていることの表れです。
仕事内容を知りたがっているとは、例えば法人営業と書かれている場合、「商品はわかるけれど、いくらでどういう風に売るの?」ということまで説明している企業は少なく、知りたがっているけれども、知ることができなかったと大きな乖離している項目だったことがまとめられています。
具体的に改善すべき書き方として新卒1年目の1日のスケジュール、毎月の目標と行動設定、担当地域の有無、担当顧客数、など細かく説明する必要があります。よく採用担当の立場からすると「会社説明会で説明すればいい」と考えますが、これでは母集団形成が難しいでしょう。
最近の就職活動プロセスの傾向として合同説明会で情報収集する学生よりも、合同説明会の前に情報収集する学生が増えています。そのため、採用ホームページや学内セミナーで詳しく説明する重要性が高まっていると言えます。
マイナビ大学生就職意識調査によると学生の大手企業志向は、2017卒よりも2018卒のほうが高かったそうです。以前は、大手企業でも採用人数の少なさから「高望み」だと考えていたと思いますが、現在の売り手市場の背景から、大手企業でも採用数が増えたことで内定を獲得しやすくなっていることが挙げられ、同じ職種や業種を希望するなら大手企業がよいと考える学生が増えているようです。
では、知名度は高いとは言えない、大手企業ではない、そんな場合はどうすれば良いのでしょうか?知名度や企業規模はそこまですごいものではなくても、自社にしかない唯一無二の技術力や開発力、商品、ブランドなどをしっかりとアピールすべきです。「自社にはこんな力や魅力があるため、安定しているのですよ」と、自社の魅力を就活生にアピールしましょう。
上場企業であればIRで知ることができますが、中小企業は企業側が情報発信しないと気づいてもらえません。会社の業績だけでなく、経営方針・事業戦略もマネタイズ・フレキシブル・インセンティブといった難しいカタカナ言葉を使わず、学生目線でわかりやすく伝えるようにしましょう。
今どきの就活生側は「仕事の面白さ」や「福利厚生制度」など、仕事の内容や待遇面でのメリットを求めていることを理解し、就活生へのアピールをするようにしましょう!
就職白書2018 -採用活動・就職活動編-
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/180215-01/
2018年卒マイナビ大学生就職意識調査
http://mcs.mynavi.jp/enq/ishiki/data/ishiki_2018.pdf
コラムPDF版はこちらからダウンロードできます↓
2019卒就活生が求めている企業の特徴や情報について(452KB)