求人倍率は2018年3月卒対象の大学生で1.78倍、中途採用市場においても2018年1月時点で2.35倍という高い水準をキープし続けています。そうした中で「思うように人が集まらない…」など、様々な課題に頭を悩ませ、無駄に費用や時間を浪費している企業の採用担当者も多いのではないでしょうか。
しっかりと効果検証を行い、次の一手を効果的に打っていくことこそ、良い採用活動への第一歩です。今回は的確にポイントを押さえた「求人媒体」における採用改善を実施したい企業担当者向けにいくつかのコツを伝えます。
目次
採用手法も求人広告・人材紹介・人材派遣・ホームページ・採用ツールなど様々な手法が可能ですが、もっともメジャーとも言える求人広告に絞ってお話をさせていただきます。
求人広告だけとはいえ求人媒体は星の数ほど存在しており、選ぶだけでも一苦労です。苦労して選んでも失敗することが多々ありますが、採用できない理由は大きく三つの原因に分けることが出来ます。
理由1:そもそも応募が来ない
理由2:良い人(採用したい人材)が来ない
理由3:選考中に辞退されてしまう
それぞれについて解説させていただきます。
なぜそもそも応募が来ないのでしょうか。理由をさらに2パターンに分けて考えてみたいと思います。
・PV数が少ない
自社で採用したい目標人数から逆算し、確保することが必要なPV数(アクセス数)よりも原稿を見られている人数が少ないのであれば、よりたくさんの求職者に見てもらえるページを作成する必要があります。
特に、その求人媒体の母集団に獲得したい人材が存在する場合は、原稿に記載している内容や原稿企画サイズの見直し、オプションの有効活用によって閲覧数の獲得が見込めます。
・PV数は多い
この場合、自分たちの狙いたい層の人材へ響くような、原稿内での表現が出来ていない可能性が非常に高いです。
言葉の選び方や表現方法において、求職者が魅力的に感じる見せ方をしているのか、見当違いなアピールポイントが前面に出ていないかなど、全般的に確認していきましょう。
例えば、魅力的な文章に近づける事例として、原稿を書く際に仕事内容の欄に単なる業務内容のみを記載するだけでなく、「将来的には〇〇や〇〇の領域にも挑戦していただきたいと考えています」など、求職者に期待する今後のビジョンを可視化することによって、志望度が向上するケースが挙げられます。
■欲しい人材
成長意欲の高いバリバリ動ける若手
■アピールポイント
(修正前):社内の福利厚生や安定して働ける環境
(修正後):年功序列ではなく、大きな裁量権が任せられる社風
修正前は、応募者の好奇心をくすぐるどころか、守りに入るような内容になってしまっています。修正後のように、欲しい人材の挑戦意欲に響くポイントをおさえた打ち出し方を行うなど、求める人物像と求職者のニーズを把握した書き方をするように心がけてください。
このポイントはシンプルな考え方が有効的です。仮にそもそも対象者としたい年齢層や経験職種を有する登録者が少ないと、母集団のデータを見る限り判断される求人媒体に原稿を出していたとなれば、掲載媒体の選定ミスが大きな理由となります。
早急に媒体の見直しに取り掛かり、自分たちの狙って獲りたい人材がプールされている媒体を選定しましょう。その際は、必ず媒体の直販先や代理店に「媒体に登録している求職者の構成データ詳細」や「同業他社(もしくは業種の親和性が高い他社)の過去採用実績」を提出するよう依頼してください。具体的な数字の根拠をもとに、定量的な判断を行うことが可能になります。
逆に上記のような資料を手にし、予想ではありながらも比較的期待が持てると判断した上で対象者が少なからずいるのに優良な人材を獲得できていない場合、「スカウト機能」の活用も非常にオススメです。
現在、スカウトメールを代行配信してくれるような代理店業者も多いので、採用の工数をあまり増やせない企業の採用担当者様でもスカウトメールを有効活用することができます。待っているだけでなく、積極的に働きかける採用活動にも目を向けてみてください。
この項目に該当する場合は、原稿や掲載媒体の問題だけでなく、根本的な部分を見直すことも必要です。選考中に辞退されてしまうのは、その企業自体に魅力を感じなくなったポイントがあるからです。
その原因が仕事の魅力なのか、雇用条件や環境そのものなのか。今一度、自社を客観的に見つめ直し、求職者にとってのデメリットを徹底して洗い出し、魅力的な企業にするための施策を検討してみてください。
雇用条件は改善できない場合が多いと考えられることもあるため、対処法のひとつとしては、現在勤続年数が比較的長い(理想は10年以上)社員に、アンケートに答えてもらってはいかがでしょうか。リアルな「勤続できる会社の魅力的なポイント」を知ることで、気付きが得られるかもしれません。
新卒採用や中途採用の求人媒体を利用した採用活動に関しては、様々なアプローチからの改善が可能です。現状維持の状況から脱したい方は、この機会に一度、自社の求人原稿を見直してみてはいかがでしょうか。
※参照1:リクルートワークス研究所(http://www.works-i.com/)
※参照2:転職サイトDODA(https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)
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求人媒体で採用できない理由と改善ポイント3選(312KB)