Column採用コラム

2018.06.04

内定者フォローレポート

学生とのコミュニケーションの取り方で採用人数増加と内定辞退減少を実現した企業の話【No.104】

企業にとっては非常に厳しい時代と言われている昨今、どの企業も様々な工夫を凝らしながら、いかに学生の方々に魅力を感じてもらえるか、どこで差別化を図ることができるのかという問題に向き合っています。激化する新卒採用の場において、ある企業がとった対策が成功した事例をご紹介します。

依然として競争が厳しい状況の新卒採用

今回ご紹介する企業A社(サービス業種 / 従業員数約2,000名)は業界内では有名でありながら2016年卒採用の実績は36名と目標人数以下の採用でした。

2017年は総合職採用で50名の獲得を目指し、リベンジをかけて様々な対策も練った結果、目標を超える52名の内定を獲得することができました。一体どのような手法や対策をおこなったのか聞くと三つのことを改善したそうです。

対策1:選考スピードの向上

どの企業においても選考を学生に受けてもらう日程調整には、多少パワーをかけていることでしょう。選考の順番、面接の回数などは企業によって様々ですが、選考を通過した学生を次の選考へ案内し、その日を迎えるまでの間にも他社競合先の選考も進み、学生の心境も変化していきます。

獲得したい学生であったとしても、他社企業が選考スピードも早く、学生にとって非常に魅力的な場所であれば、気持ちが離れていく可能性は非常に高いです。そのポイントに着目し、A社は同日に一次選考と二次選考を実施する方法をとりました。

一次選考を複数名で行い、ややざっくりとした合否の判断をした後、二次選考は個人面接でしっかりと時間をかけて合否の判断をします。獲得しなければいけない可能性のある学生を残すために、多少の粗さはありますが、サービス業種では重要視されやすい、書類選考などでは分からない雰囲気や表情などを見ていきます。

ここでの重要なポイントとしては、「決して獲得するべき人材を見落としてしまわないこと」です。複数を相手に選考のジャッジを行なうため、時として迷うこともあるかと思いますが、そういった際は就活生を次の選考に進める勇気を持ちましょう。

この対策を行ったことで、選考スケジュールは従来の3分の2(従来は全体で1ヶ月半だった期間を1ヶ月に短縮)になり、選考スピードが向上したおかげで、獲得し漏れてしまっていた学生層をしっかりと取り込んで採用人数増加にも繋げることができました。

また、一次・二次選考をまとめてその日におこなうため、少なからず2〜3時間をどっぷりとA社のためだけに使うことで、A社を志望する動機、理由を深く自分で考えることもできます。また複数のA社スタッフとも話す機会を得ることで、社風や働いている人の様子、キャリアの将来性、やりがいなど、様々な質問が出来ます。(A社は面接時の最後に必ず、学生からの質問に時間が許す限り使うというシステムにしています)

その結果、学生が自社で過ごす「密度の濃さ(=情報の多さ)」を感じて、志望度が上がったとのアンケート結果もあり、思わぬ副産物を得ることができました。

対策2:リクルーターとの「面談」での魅力づけ

二番目に、A社では選考中に普段は現場で営業・接客をしているスタッフを新卒採用時期にリクルーターとし、学生に会ってもらう場を設けました。

合否を出す選考といった判断の場ではなく、学生も少しリラックスして気になっていることや不安なことを払拭できる場を設けることで、心置きなく安心して選考に進めるようになり、その安心感が何よりの志望動機となります。

また、リクルーターからも企業の魅力を伝える時間があるので、現場の生の声を学生に届けることができ、他社との差別化を図ることもできる機会となります。このリクルーターとの面談を実施した結果、以前は約30名いた選考中辞退者が14名に減少と、選考中の辞退率が半減しました。

対策3:内定者研修の実施

学生が内々定もしくは内定した後も気が抜けません。あくまで来春の入社がゴールだという意識を持って、内定者たちに振舞うことが重要です。A社では今期より「合宿型内定者研修」を実施しました。

全国各地で選考を通過した内定者たちを集め、1泊2日で内定者同士が親交を深め合う場を準備し、入社までの期間も互いに接点を持って、「このメンバーで働くことが楽しみ」だと思ってもらうようにするためです。新卒・中途問わず、一緒に働くスタッフが先輩、後輩、同期問わず魅力的であれば、「この環境が魅力的」だと強く感じるものです。

この内定者研修も非常に高い効果を出し、以前の内定辞退は5名以上いましたが、2018年4月に入社を控えている内定者に関しては研修後の辞退人数は1名に留まりました。

まとめ

企業のスタッフと学生とのコミュニケーションも重要ではありますが、学生同士や内定者同士のコミュニケーションにも着目していくと、大きな発見があるかもしれません。企業のどこに魅力を感じてもらいたいのか、どうすれば学生が入りたい企業という位置付けに出来るのか、学生の目線に立ってぜひ考えてみてください。

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学生とのコミュニケーションの取り方で採用人数増加と内定辞退減少を実現した企業の話ト(322KB)

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