採用活動の中で学生に情報を発信したり、内定者から相談を受けたりする際に内定者SNSという存在は非常に便利です。しかし、SNSは情報の早さや気軽に情報交換ができるというメリットがある一方、使い方を間違えると思わぬ事態を招くこともあります。今回は採用活動におけるSNSの使い方を間違えたことによる失敗談をご紹介します。
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内定者SNSはルールやガイドラインが無いとたちまち無法地帯になってしまいます。ある企業では、学生に情報提供をするために内定者SNSを導入。学生たちと採用担当者が直接つながって雑談レベルで対話ができるSNSを利用することは、企業情報や企業とのつながりが欲しい学生と、学生とのつながりが欲しい企業の双方にメリットがあります。
しかし、その企業はSNSに学生を参加させる際に、SNS利用の目的やガイドラインについてこまかい説明をしないまま進めてしまうと、学生側も使い方がわからず、どうような雰囲気でどの程度まで書いていいのかわかりません。
人事からすると積極的に質問してほしくても「仕事内容を具体的に聞きたいけど失礼にならないかな?」「社内の男女比を質問していいのだろうか…」と考えられがちです。そうならないためにも、招待する学生に対して目的やガイドラインを最初に伝えておく必要があります。
ある企業では、内定者のための内定者フォロー用のSNSを立ち上げました。内定者フォローSNSを利用する企業はとても多く、内定者同士が仲良くなり社員との交流を持つことができるため、内定者辞退を防ぐ手段としてとても有効です。
その企業でも内定者全員と人事担当者が入ったSNSグループを立ち上げ、活発に意見を交わすはずでした。ところが、内定者同士で「いきなり浮かない存在にならないために少し他の人の様子を見ながらにしよう」とお互いの出方を窺ってしまい、投稿するのは人事担当者のみで内定者たちは全く参加しない寂しいSNSになってしまいました。
内定者の立場からすれば顔も知らないメンバーのグループで何を投稿すれば良いのかわからないというところでしょう。せめて、懇親会や内定者研修が行われた時にグループを作るなどという仕掛けがあれば、少しは盛り上がったかもしれませんね。
せっせと人事担当者だけが投稿する、全く盛り上がらないSNSになってしまったという例はよくあるのです。
ある企業でも内定者フォローを目的としたSNSを導入しました。ところが、そのSNSで嫌気がさしてしまい逆に内定者辞退されてしまったというケースもあります。その原因は人事担当者からの「ログインチェック」です。
SNSサービスの中には参加者のログイン状況を確認する機能があるのをご存知でしょうか?SNSの管理者はグループの参加状況をログから確認できます。ログイン状況を人事担当者が確認するだけならば良いのですが、なかなかログインしない内定者に対して「あなたはSNSに最近全く参加していないようですが、何かコメントをしてください。」とやってしまったのです。
せっかく導入したからには活用してほしいという想いからでた発言ですが、これでは監視されているのと同じです。コメントを強制させる行為ほど無意味なことはありません。結局ログインしていない内定者にコメントを促すことを繰り返した結果、内定者の何人かが嫌になって逃げだしてしまったのです。おそらく、会社に入ってもこのような監視じみたことが続く、そんな働きづらい会社だと思われてしまったのでしょう。
SNSを採用活動ツールとして利用することは、内定者の不安をとりのぞき、ミスマッチと早期離職を防げる現代の若者に合った優れたツールです。ところが、使い方を間違えると途端に意味のないものになるどころか、かえって逆効果になってしまうこともあります。今回ご紹介した失敗談に注意して、最大限に有効活用してほしいと思います。
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内定者フォローSNSの失敗談から考える注意点(255KB)