2018年7月に東京大学の学生がツイッター上で就職活動に関するアンケートをとり、その結果を報告したブログが話題になりました。一部の社会人側の意見として「逆恨み」「落ちた側の意見」という声も聞こえましたが、無視できないような意見も多数あります。ランキングの結果を読んでみた感想をまとめました。
第1回 嫌いになった企業ランキング 集計結果発表【その①】
https://www.kuranosukessk.com/entry/2018/07/09/095740
第1回 嫌いになった企業ランキング 集計結果発表【その②】
https://www.kuranosukessk.com/entry/2018/07/11/125224
東京大学の男子学生が集計したため、「高学歴の学生が受ける企業中心」「関西圏の意見が少ない」「女性の意見が少ない(女性に人気の企業が少ない)」などデータの偏りがあるかもしれませんが、総回答数1282件(企業数659社)と、それなりのサンプル数が集まっています。いまこれを読んでいる読者の中にも名前を調べて掲載されていないことにホッとした人がいるかもしれませんね。
目次
上位にはリクルートやマイナビがありますが、これは企業の採用選考に関する声ではなく、「(勧誘の)メールがうるさい」「不安を煽りすぎ」「就活エージェントからの電話がうざい」など就活支援媒体に対する不満の声が中心になっています。
それ以外の企業名には損害保険会社の東京海上日動、生命保険会社の日本生命、メガバンクの三井住友銀行など大手企業がズラリと並んでいます。応募エントリー数が多い企業が必然的にアンケート結果でも上位に名を連ねてしまっているように思えます。
例えばリクナビ2019の人気企業ランキング1位は株式会社ニトリですが、嫌いランキングでも8位にランクインしています。しかし、人気企業ランキング2位のニッポンハムグループ、3位の三菱電機株式会社、人気企業上位の明治グループやセキスイハイムグループに対する意見はほぼありません。逆に不動産系では株式会社オープンハウスだけがランクインするなど一概にエントリー数と比例していない結果になっており興味深いです。
嫌われる具体的な理由は「選考が不透明」「面接官の態度が悪い(高圧的、馬鹿にされた等)」「サイレントお祈り(合否結果の連絡がない)」など一定の理由に集中しています。「連絡が遅い」など基本的な行動はすぐに改善したほうがいいでしょう。
「みん就(みんなの就職活動日記)」や「就活会議」など口コミサイトでも同じような意見が多く挙がっていると共感する学生も多く見られました。
一方で、「就活で好きになった企業ランキング」という嫌いランキングとは別の学生がサンプルを集めた企業ランキングもありました。こちらは母数が少ないので詳細は割愛させていただきますが、食品メーカーのカゴメ株式会社が堂々の1位。カゴメは選考に落ちた学生に自社製品を送っているそうで、その対応が素晴らしいとクチコミが広がっているようです。
また「サイレントお祈りじゃない」といった当たり前のように思えることでも好感度が上がっていることがわかります。他にも「辞退しても応援してくれた」など面接官の言葉一つで好印象に繋がっています。面接官個人の印象に依存しているように思えますが、注意すべき点をまとめたマニュアル作成や面接トレーニングだけでも解決するでしょう。
学生から好まれる企業になるためには、学生への丁寧なフォローが大切です。内定者フォロー&採用支援アプリ「Chaku2NEXT」ならば、丁寧なフォローが可能になります。Chaku2NETとは、HPや合説では伝えきれない会社の雰囲気や魅力、先輩社員の働き方をリアルに伝えることができるクローズド(招待制)SNSスマホアプリです。アプリなのでプッシュ通知でお知らせでき、メールのように見逃す心配はありません。
新卒採用している人事部の皆さんにはドキッとするタイトルのアンケートだと思いますが、会社名こそ挙がっていなくとも「うちも当てはまる箇所がある…」と反省できる点も見つかるかもしれません。「ネガティブな意見の集まり」として無視するのではなく、こうした学生の生の声に真摯に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
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学生がまとめた就活で嫌いになった企業ランキングの話(255KB)