Column採用コラム

2018.08.14

内定者フォローレポート

【2020卒対応】新卒採用の面接マニュアル【No.112】

新卒採用において最も重要視されている面接。それを務める面接官は経営者や新卒採用担当者(人事担当者)だけでなく、現場責任者や若手の従業員も多いですが、どのような点に注意すればいいのでしょうか。新卒採用で面接官に求められる資質や能力とはなんでしょうか。今回は新卒採用の面接官が注意すべきポイントをまとめました。

新卒採用の面接官とは

面接官とは、新卒採用や中途採用において自社に応募した候補者を見極める人物のことです。候補者の魅力はどこにあるのか、自社が求めている人物像とマッチしているのか、入社後に活躍できるのか、様々な側面から合否判断をしなければいけない重要な仕事です。

新卒採用は中途採用と違い、学生には社会で働いた経験がないため、面接の質問によって本人の長所と短所を理解し、ポテンシャルと呼ばれる人物重視の採用をしなければいけない点です。実績やスキルを評価しやすい中途採用と違い、新卒採用は未来の活躍を想像して判断しなければいけない難しい仕事だと言えます。

面接官は会社の顔

面接官は企業の顔になり、企業の代表者として面接をします。つまり面接官の印象がそのまま企業の印象になります。就活生は自社の顧客でもあり、未来の取引先かもしれません。面接で悪い印象がついてしまうと、会社のブランドも傷ついてしまいます。

面接では「一緒に働きたいと思えるか」という基準が大切にされていますが、逆に学生からも「入社するに相応しいか」「一緒に仕事をしたいか」を見られています。企業が学生を選んでいる一方で、学生も企業を選んでいることを理解しましょう。

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面接官の面接力とは

新卒採用では面接官の言動や印象次第で学生の志望度や入社意欲が大きく変化します。面接官が「親身にアドバイスしてくれた」「丁寧に説明してくれた」といった理由で内定承諾に繋がるケースもあれば、「上から目線だった」「高圧的な態度だった」といった理由で選考辞退になるケースもあります。

新卒採用における面接力とは、学生の合格・不合格を判断するだけでなく、企業の好感度を高め、「この会社で働きたい」と動機づけするのも重要な役割です。面接でただ学生を選ぶだけをしている企業は他社との取り合いになった際に負けやすいです。

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嫌われる面接官の特徴

学生と誠実に向き合う姿勢が一番重要です。面接の途中で不合格が決定した場合、早期に面接を打ち切ったり、明らかに態度を変えたり、表情に出てしまったりする面接官もいますが、就活生側も敏感に気づきます。いい加減な対応や失礼な発言は絶対に止めましょう。

現場の人間に多いのが、威張った態度をとっている人や、人事部に言われて仕方なく参加させられている感をだしている面接官です。やらされ感をだしたまま面倒そうに質問をするのはせっかくエントリーしてくれた学生に対して失礼な行為です。相手が学生でもマナーは守るようにしましょう。

集団面接の際に一人だけに集中して質問をするのも、同じ面接を受けている学生からすると「アピールする機会がない」と不平等に感じます。次に具体的に気をつけるべきポイントを説明させてもらいます。

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面接官が注意すべきポイント7選《基本編》

学生に悪印象を与えないために気をつけるべきポイントをまとめました。難しいことは一つもなく、簡単なものばかりですが、意外にも完璧にできている企業は少ないです。当たり前のことを当たり前にできているかチェックしましょう。

1.面接前に身だしなみをチェックする

面接に挑むにあたり清潔感のある服装ができているか身なりをチェックしましょう。スーツが汚れていないか、鼻毛が出ていないかなど服装や髪型など身だしなみは面接官も注意しなければいけません。面接前に鏡を見て自分自身で確認するようにしましょう。

また入室する際の第一印象も大事です。暗い表情や疲れた表情だと「こんな人ばかりなのか」と心配されたり、「仕事が多忙な会社」と思われたりしてしまいます。また面接をする学生の名前の読み方を間違えないように、面接前に一度チェックすることをおススメします。

2.面接時間に遅刻しない

面接で遅刻は厳禁。時間を守るのは社会人として最低限のマナーです。遅くとも5分以内に始めましょう。また一言も謝らないで面接を開始する人もいますが、非常に悪い印象が残ってしまいます。

就職活動では面接をおこなう時期が集中しており、一日に何社も面接を受ける学生もいますので、次の面接に遅刻しないか気にしている人がいるかもしれません。学生を待たせないようにしなければいけませんが、どうしても待たせてしまうのであれば事前にどれくらい待たせてしまうのか説明するようにしましょう。

3.面接室のドアをノックして挨拶をする

相手を待たせている場合、ノックもしないまま無言のまま入室する人はいないと思いますが、新卒採用でも同じ対応をしましょう。入室する際に「失礼します」と伝えてから「おはようございます」「本日はよろしくお願いします」と言うように心がけましょう。

4.最初に自己紹介をする

面接を始める前に面接官本人の立場や役職を説明しましょう。現在の仕事内容から入社年度、入社経緯、家族構成まで話せれば学生からも具体的な質問をもらいやすくなります。

5.学生の目を見て会話する

手元のエントリーシートや評価シートばかり見ながら話さないようにしましょう。「目は口ほどに物を言う」という言葉がありますが、目を見ないで話すと相手にマイナスの印象を与えてしまいます。

表情は言葉だけでは伝わらない部分も伝えてくれます。エントリーシートだけでは読み取れない情報を読み取るためにも、しっかりと学生の目を見て会話するようにしましょう。

6.笑顔を意識して相槌を打つ

目線を合わせて笑顔必要があります。無表情のまま何もリアクションがないと話を聞いていないと思われてしまい、面接官の印象は悪くしてしまいます。相手の反応がないと学生もしゃべりづらい雰囲気が生まれてしまいます。

また冷たい態度や否定的な言葉は、面接官本人も意図していなくても相手側は圧迫面接だと感じてしまうこともあります。

7.馴れ馴れしくしない

特に20代の若い面接官にありがちな失敗です。堅苦しい言葉遣いもダメですが、フランクに接しすぎるのも問題です。面接では基本的に敬語を使うようにして、年齢が近い場合でもタメ口を使わないようにしましょう。当然ながら男女差別・学歴差別・セクハラ・人格否定につながる発言はNG。

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面接官が実践しておきたいポイント7選《応用編》

基本編が問題なくできている人は面接全体の雰囲気づくりを意識しましょう。短い時間内で学生の本音を引き出し、相手を知るためには話しやすい雰囲気づくりは大事です。そして学生に好印象を与え、動機づけをするようにしましょう。

1.面接前にアイスブレイクを入れる

部屋に入ってスグに「それでは面接を始めます」と言うのではなく、まずは「今日はとても暑いですね」「雨が降っていましたが大丈夫でしたか?」など他愛のない会話をはさんでから面接を始めてみることをおススメします。学生には本来の自分自身をアピールしてもらうために緊張をほぐす努力をしましょう。

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2.面接で自己分析を助ける

自分の得意とするのはどこにあるのか自己分析が甘い学生や、自分の長所や短所を言語化できていない学生もいます。それをそのまま判断するのではなく、個性や価値観を引き出せるようにしてあげるのも面接官の役割です。

企業側の無駄に思われるかもしれませんが、学生が本質的に大切にしているパーソナリティの部分を知ることは企業側にとっても価値のあるものです。学生が成功体験や強みとしている根拠をうまく説明できていない際は、「なぜそう思うのか」と質問の深掘りをしてあげましょう。

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3.会社の良さや商品サービスの強みを説明する

面接は企業側も学生にアピールできる重要なプレゼンテーションの場です。「御社の商品に興味を持っている」と説明している学生がいるとしたら「このサービスは世の中の〇〇の不満を解決するために生まれた」「この商品は特に〇〇の悩みを持っている人々に喜ばれている」など自社商品やサービスの強みや優位性を説明するのも有効な方法です。ただし競合他社の悪口は控えましょう。

学生側からは質問しづらいのが給与や労働環境に関する質問です。そのため質問されなくても面接官から残業時間や休日休暇など待遇や労働環境の説明をしてあげられると親切です。会社説明会だけで十分だと判断せずに、面接でも積極的に情報提供してあげるのが大切です。

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4.会社説明会の内容を理解しておく

会社説明会で話した内容と、面接官の説明した内容が違えば学生は「どちらの説明が正しいのだろうか?」と疑心暗鬼になります。また求人情報に書かれている内容と違う仕事内容にならないようにしなければいけません。

面接は会社説明会の延長として位置づけ、自分なりに仕事の楽しさや厳しさを伝える場面にするなど工夫しましょう。少なくとも配布している会社案内パンフレットや採用ホームページは確認しておくことが必要不可欠です。

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5.面接前に事前情報を確認する

前回の面接では誰が何を質問して、相手がどう答えたのか事前に過去の履歴を確認ができていることがベストです。同じ質問をしても同じ回答が返ってくるだけで、面接を重ねる意味がありません。

例えば自社のインターンシップに参加してくれた学生に対して、毎回自社のインターンシップに参加したかを質問し、その感想を聞くのは効率的な面接とは言えません。選考フローの情報共有の仕組みがあるかどうかにも関係しますが、一次面接で質問した内容を共有し、二次面接でそれをさらに深掘りできると有意義な面接になります。

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面接官を務める前に理解しておきたい三つの心構え

面接で「いい人材がいない」と思っていたり、選考辞退率が課題になっていたりする場合は、今回ご紹介する三つの心構えができていないことがあります。面接官もわかっていながらも、つい学生に求めすぎてしまうケースもありますので注意するようにしましょう。

1.ほとんどの学生は志望度が高くない

応募の段階から第一志望の企業はほんの一握りです。多くは第二志望群もしくは何気なくエントリーしている可能性もあります。特に知名度が低い会社にエントリーした理由は「事業内容に興味をもった」「同じ業界の会社を受けているから」程度で、第一志望ではない学生がほとんどです。

書類選考や第一面接で志望理由を聞いた際に「熱意がない」「志望度が低い」として不採用にしてしまってはいつまでも希望する人材は集まらないでしょう。志望度は低くてもその中から「営業の資質は高い」「社交的でコミュニケーション能力の高い学生」を見つけて、面接で志望度を少しずつ上げていくのも面接官の役割の一つです。

学生一人一人がエントリーしてきた動機が違います。職種・業界・企業理念など興味を持った部分は様々ですが、不足している部分を補い、うまく自社の魅力に合わせてマッチングを図りましょう。

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2.学生は社会人経験がない

学生は社会人経験がないため、仕事の理解が不十分で仕事内容を楽観的に考えている人も少なくありません。社会人経験が豊富な立場からすると考え方が甘いと思われますが、最初から完璧に理解できている人はいません。

それは仕方のないことですから、馬鹿にするのではなく、正しく理解させてあげることが面接官の役割です。ミスマッチをなくすためにも面接中に自分自身が実際に働いてみた感想も話せるといいでしょう。

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3.学生は不安を抱えながら面接を受けている

学生は「この会社で本当にいいのだろうか」「本当に自分のやりたい仕事なのだろうか」「入社後に活躍できるだろうか」と心の中で様々な不安を抱えながら面接を受けています。そのことを理解してあげ、サポートするのが面接官です。

不安を解消しないままだと最終的に内定ブルーになり、内定辞退の恐れがあります。多くの企業が内定者SNSで不安を解消する取り組みをしていますが、面接の段階でも「〇〇さんのやり方はうちの会社に入社しても十分に通用する」「〇〇さんのアルバイト経験でのこだわりは社会人になってからでも絶対に評価されるよ」と学生の人柄を認め、評価しているポイントを伝え、一言アドバイスをしてあげられるようにしましょう。

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面接段階での動機づけ

様々な方法で集めた母集団を面接段階で効果的に動機づける必要があります。学生にとって就職活動の時期は多くの会社を知る機会があるということは、一社一社の印象が薄くなってしまい、目移りしてしまいやすいです。

そうした悩みを解決させるためには面接段階にも活用できるSNSアプリ「Chaku2 NEXT(ちゃくちゃくネクスト)」がおススメです。招待制のため、企業と招待した学生しか見ることができないため、第三者に悪用される心配は全くありません。

就活フォローアプリ「Chaku2 NEXT」は、長期的・継続的に接点を持つことができ、動機づけを行うのに最も効果的です。

まとめ

面接は、ミスマッチをなくすのが目的です。一方的に企業が決めるものではなく、相互理解を目標としましょう。そのための手段が面接です。採用する企業側が偉いと勘違いしてはいけません。現在の売り手市場で優秀な人材から内定を承諾してもらうために面接での相互理解を大切にしましょう。

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