企業の人事担当者であれば、「ハローワーク」の存在を知らない方はいないでしょう。今回はそのハローワークでの求人掲載を実施した際の実例を含め、ある飲食系企業で正社員採用に成功した体験談をまとめてみました。
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ハローワークとは、職業安定法に基づいて1947年、「公共職業安定所」として誕生しました。出張所などを含み全国に約550カ所あり、求人情報を提供したり職業相談にのったりするほか、雇用保険の失業給付も扱っている場所のことを指します。ハローワークという呼び方は公募で決まった愛称で1990年1月から使われています。
企業は、ハローワークに新しい職を探している方々に、求人票を作成することによって、無料で求人情報を公開することができます。そのため最大のメリットは採用費用が無料な点です。もしも採用がうまくいくなら、活用したいサービスと言えるでしょう。
現代においては、大手求人媒体に記事を掲載して応募者を集める手法、人材紹介の企業を通じて優秀な人材へのアプローチを試みる手法、企業側が求職者の母集団から獲得したい人材をスカウトする手法など、採用方法と一言にまとめても、非常にたくさんの種類があります。
企業の人事担当者の中にはハローワークでの採用に関して、昔からある場所なので「なんとなく古臭い」「若年層の人材が少ないイメージ」「女性受けが良くなさそう」などネガティブなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回のお話の主役となる全国展開をおこなう飲食系企業でも、上記のようなイメージが蔓延していたため、ハローワークへは限定的な職種しか掲載をしていませんでした。
例えば、昔から職業として成立していた男性イメージの強い職種(料理人など)、若年層にこだわらず裏方で頑張ってくれる人であればいい職種(皿洗い、清掃など)が例として挙げられます。若手が欲しいホールスタッフや、女性イメージの強い受付スタッフの求人は、あえてハローワークを避けていました。
しかし、「求職者の方々に目に止めてもらえる情報はたくさんあったほうが良いのでは」との提案が部内で出され、初めて前述以外の求人もハローワークに掲載をした結果、様々な職種で採用に至るケースが頻発したそうです。採用費はもちろんタダ。
特に地方採用でメリットが大きいと言われるハローワークですが、全国区の大手求人媒体がやや苦手としている地方都市エリア採用で、年間合計20名程度の獲得に貢献しました。
また、関西圏主要地(京都府・大阪府・兵庫県)の採用において、通常は求人媒体での獲得が難しく、人材紹介でも苦戦しがちな同業経験者の営業職の採用を2名実現することが出来ました。このように採用費軽減に大きく好影響を及ぼしている実績があります。
そこで、「なぜハローワークで成功したのか」を検証した結果、大きく2つの理由が見えてきました。
ハローワークは仕事を探す場としてだけではなく、失業者が雇用保険の受給手続きを行ったり、次の就職までにビジネススキルを向上させるための職業訓練の斡旋をしてくれたり、実はどんな失業者や求職者でも足を運ぶ可能性のある場所です。だからこそ、性別や年齡層、経歴を問わず、企業の求人を目にする可能性があるのです。
ハローワークは国が運営している場所です。その為、もちろん求人票が提出されている企業に関しては、しっかりとした基準や水準をクリアした内容が記載されています。また、相談に乗ってくれる就職支援の担当者も、しっかりと求職者と募集企業の間に入って、不安や質問内容を的確に確認してくれるので、安心感を持って選考に進むことが可能です。
最新の採用手法を使っているはずなのに上手く人が採用出来ない、採用費に高額な資金を投じることが出来ないが人が欲しい…。そんなお悩みを抱えている人事担当者は、一度ハローワークへの掲載を検討してみてはいかがでしょうか。
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ハローワークの活用で正社員採用に成功した企業の体験談(405KB)