岩井コスモ証券株式会社の求人情報をご存知ですか。先日リクナビ2019での特設サイトとして公開されている新卒採用ページが誠実だと話題になりました。そこに書かれていた「皆さんの疑問や不安に、真正面からお応えします」はどのような内容なのか、誠実な新卒採用とはなにか、就活生に何を伝えるべきかを考えていきたいと思います。
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岩井コスモ証券株式会社は、大阪市中央区に本社を置く証券会社で、岩井コスモホールディングスの完全子会社です。大正時代に創業し総合証券会社として歴史は古く、２０１２年に岩井証券を吸収合併し、岩井コスモ証券株式会社に商号変更した経緯があり、現在は中堅証券会社に位置づけられています。
リクナビ限定情報として公開されているページには、定番の「仕事のやりがい」や「女性の働き方（育児支援制度）」について社員の顔写真とともに回答が記載されています。その中でも特に注目されている回答例をご紹介させていただきます。
営業の目標は厳しいですか？
厳しくないと言えば嘘になります。営業である以上、数字（目標）は切っても切れないものです。
損失が出たら、お客さんに怒られますか？
怒られることもあります。大切なご資産ですから無理もありません。マーケットは、予想した方向に進まないこともあります。
離職率は高いですか？
高いと思います。証券という世界は、誰でもが飛び込める世界ですが、簡単には続けていけない世界なのかもしれません。
ツイッターで紹介されると瞬く間に拡散され、「正直で好感がもてる」「他の会社にも見習ってほしい」など多くのユーザーから好意的な意見が集まりました。就活生が疑問に思うことを、先手を打って伝えることは素晴らしいですよね。
採用担当者の中には「新卒採用サイトまたは会社説明会は仕事の楽しさや面白さを伝える場所（だから苦しいことをあえて言うべきではない）」と考える人もいます。ある会社の営業職の社員が説明会に参加した際に「営業は簡単じゃないよ」と就活生に伝えると「なんでわざわざネガティブなことを言うのか！」と怒られた人もいるそうです。
またある人は「会社説明会では会社理念への賛同が大事」として具体的な仕事内容の説明は二の次、三の次にしている人もいます。その会社では、会社説明会も時間が限られていますから結果的に仕事については三分程度の説明で終わっていました。
大前提として理念に共感してもらいたい、まずは仕事の楽しさを知ってもらいたいと考える採用担当者の意見も一理ありますが、理解不足のまま入社すると早期離職の原因になります。
営業職をはじめ、どんな仕事も簡単ではありません。楽観視させすぎないためにもどこかのタイミングで厳しいこと（理解を深めること）も言わなければいけないと思います。
時間に制限のある会社説明会で全てを伝えることは難しいです。また一気に説明できたとしても学生側の理解が追いつかないという意見もあります。そのため選考途中に現場社員との交流タイムを設ける会社、入社前に内定者研修や内定者アルバイトを実施する会社、クローズドな内定者SNSで相互理解を深める会社が多いです。
理想は選考前・選考中・選考後すべてのタイミングで相互理解を深める準備をしてあげることです。選考中に学生側の考え方や真剣度は変化しますから、疑問に思うことや判断軸も変化するからです。入社の判断軸となりえる基本情報（募集要項）は、採用ホームページなど選考前に提示してあげたほうが親切だと思います。例えば転勤があるなら最初から転勤の有無を伝えたほうが、お互い時間の無駄を省けるでしょう。
本当のことを言ってしまうと「母集団確保に影響が出るのでは？」と心配する人もいるかと思いますが、会社側にとっても早期にミスマッチを防止できるのはメリットですので勇気を持って伝えてほしいと思います。（もちろん仕事の魅力も合わせて伝えるのが大切です。）
過労死やパワハラなどブラック企業問題がニュースでも報道され学生も敏感になっていますから、キレイな部分だけを説明しても「逆に怪しい」と考える就活生も多いです。もしも美辞麗句が並んでいたら、もう少しリアルな声も増やしてみてはいかがでしょうか。
https://job.rikunabi.com/2019/static/kdbc/94/r949200007/detaila/I002/index.html
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岩井コスモ証券の新卒採用から考える誠実さとは（426KB)
