経団連が検討するインターンシップ(就業体験)の改革案がニュースになりました。改革案の中では開催日数や学生の早期囲い込みが争点になっているとのことです。インターンシップ(就業体験)には様々なタイプがあり、1日だけの短期から1ヶ月以上の長期的なインターンシップもあります。内容も業界研究から本格的な仕事体験まで様々。今回は最近増えてきている内定直結型インターンシップのメリット・デメリットについてまとめました。
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総合商社や広告代理店など人気企業のインターンシップには申し込みが殺到するため、参加したくても参加できていない学生が多く、リクルートキャリア運営「就職みらい研究所」の調査では東京でのインターンの募集倍率は5倍。つまり学生の5人に1人しか参加できていないという結果が公表されています。
特に内定直結型(選考直結型)と言われるタイプの倍率は高く、応募倍率の高い企業はエントリーシートや面接を設けて選抜している企業もあります。建前上は内定直結型と明言している企業が少ないものの、実際には優秀な人材を見つけ、早期に囲い込む企業がある暗黙の了解のもとおこなわれています。内定直結でなくとも本選考で有利になる「特別選考枠」を設けている企業の話もいます。
内定型インターンシップに応募する学生としては内定を獲得したいのは当然ながら「本番(就職活動)前の腕試し」と考える人から「仲間づくり」「スキルアップしたい」と考える人までいます。総じて高学歴で勤労意欲のモチベーションが高い学生が多い傾向にあります。
内定直結型インターンシップのメリットは学生の能力やスキルはもちろんのこと、性格や考え方まで見極められる点です。チーム制のインターンシップをおこなえば協調性やリーダーシップの適性もわかります。求める人物像に近いか、社風にマッチしているかが的確に判断できます。
学生にとっても職種との適性を判断できるだけでなく、企業の社風や職場環境をリアルに把握でき、具体的な入社後のイメージが掴めます。お互いのミスマッチを減らすことができるのが内定直結型インターンシップのメリットです。
デメリットは手間と時間がかかることです。内定直結型インターンシップ期間は短くても2週間、長ければ2カ月が主流です。実施期間中は様々なフォローが必要になり、人事部もしくは採用担当者への負担も大きく、実践型の場合は営業部や開発部など現場スタッフにも負担がかかってしまいます。
現場担当者からの定期的なアドバイスやフィードバックがもらえるインターンシップが学生から人気です。そのため現場のサポートが必要不可欠。あらかじめ現場スタッフの業務量やスタッフに余裕があるか確認や相談が必要になります。
インターンシップを実施する場合は人事部だけで話を進めるのではなく、現場スタッフと「インターンシップをする意味」や「どういったサポートをしてほしいか」など打ち合わせすることをおススメします。インターン生へのサポートを放置してしまうと「研修体制が悪い」という評判が広まってしまいますので気をつけましょう。
内定直結型インターンシップで優秀な人材が集められたと安心しても、参加者は大学3年生ですので、入社するのは1年以上先です。本格的な就職活動を控えているため、他の企業に入社する可能性は大いにあります。魅力的なインターンシップも重要ですが、参加後のフォローも同じくらい重要です。インターンを実施ならできるかぎり終了後もサポートしてあげましょう。
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内定者フォローレポート⑫内定直結型インターンシップのメリット・デメリット